語研 長崎玄弥のいつでも・どこででも話せる 英会話道場 長崎玄弥 1986年初版第4刷発行

本日も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。

今回、紹介させていただく1冊は、「教科書のいらない男」とあだ名をつけられた長崎玄弥氏の書籍です。

長崎玄弥氏といえば「奇跡シリーズ」が有名でしょうか。
著者は株式会社アルクのヒアリング・マラソンのコーチを務めたことがある長崎玄弥氏(ながさき げんや、1927年11月5日 – 没年不詳)です。
長崎氏は東京高等歯科医学校(現 東京医科歯科大学→東京科学大学(仮名))中退。青山学院大学中退、再入学、再中退と、中退に次ぐ中退を繰り返す異色の経歴があります。

著者:長崎玄弥
元々は英語が苦手だった長崎氏ですが、旧制中学の時、外国人から話しかけられた際に「I can speak English very little.」と返したところを同級生に見られ、馬鹿にされたことから英単語を覚えようと暗記を始めました。
needle という単語を覚える場合、needle というと尖ったもののような気がするまで百回ぐらい発音するという暗記方法で、東京高等歯科医学校を受験する際、受験本番では知らない英単語は一語もなかったそうです。
その後、英語への関心が高かったため医学校を中退、青山学院大学に入学します。
青山学院大学時代には進駐軍に話しかけ、口語表現を学んだり、ペーパーバッグを買い集めたり、ラジオでFEN(現AFN)を聞いて英語への関心を深めていきます。
学校での成績は良かったそうですが、青山学院大学を中退し、英会話教室で講師を務めます。
自身の生徒が大学に入学していくのを見て再度青山学院大学に入学するも、またもや中退してしまいます。
その後、アメリカの広告代理店の翻訳部長や、東京大学教養学部講師、トフルゼミナール英語教育研究所所長、巌丈志摩予備校など各種予備校講師、株式会社アルクのヒアリング・マラソンのコーチなどを務めます。

今回は長崎氏の著書の中でもあまり知られていない「長崎玄弥のいつでも・どこででも話せる英会話道場」について紹介させて頂きます。

長崎玄弥のいつでも・どこででも話せる英会話道場

それでは本書を目次から見ていきたいと思います。

目次①

目次②

構成としましては綴じ込みの絵(PictureA~F)をもとに、それぞれ「英文~対訳~解説~Self Training Guide」で構成されています。
さらに、Picture Aに入る前に具体的な学習方法を記述した「個人指導」と巻末にNotesがあります。
・最初の絵は個人指導で使われ、Picture Gは課題として仕上げ用になります。
・英文は筆者長崎氏が見て感じた情景描写であり、そのサンプル・ディスクリプションになります。
・対訳は英文と見開きになっています。
・解説は大事な語句の語法などを解説してあります。
・Self Training Guideではサンプル・ディスクリプションを学習した後、自分で絵の説明をしたり、人物描写がどれだけできるか練習する項目となっています。
・巻末のNoteには重要単語などが記載されてあり、確認するためのIndexとして使用するものとなっています。

本書裏表紙にある「本書の特徴」こちらを見てみると、


「いままでの会話書にあるような、例文暗記型の会話書ではありません。」
と書かれています。
他の会話書とどのように違うのか、さっそく本書を見ていきましょう。

本書の一番の特徴としてはやはり一番最初に目にする8枚の絵でしょうか。

Picture A

この書籍の学習方法は前述しました通り、絵を元に英文、対訳、解説をするものとなっています。
まず最初に絵と本書に記載されている英文、対訳文を見て、「言葉によるスケッチ」を行います。

Picture A(英文)

Picture A(和訳文)

実際にある情景を描写することにより、ただの文章ではなく、映像やイラストとして記憶されるため、英文法や単語が覚えやすくなる、というのが本書の特徴になります。

本書を見させていただいて、ブログ筆者も英語は苦手なのですが、ただ文章で覚えるよりも実際に情景と結び合わせて毎日繰り返して覚えることにより、
日常的な英会話が楽しく勉強できる気がしました。

ブログ筆者お気に入りイラスト

例の英文と和訳文

これから英会話を始めたいと思っている方から、いろいろやってみたけれど身につかなかった方まで、
幅広く、そして楽しんで勉強することのできる書籍かと思います。

今回は長崎玄弥氏の『長崎玄弥のいつでも・どこででも話せる英会話道場』を紹介させていただきました。
紹介させて頂いたのはわずか冒頭の数ページのみですが、是非お手に取っていただきたい書籍です。

これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。

次回更新もどうぞお楽しみに!

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