本日紹介するのは「代々木ゼミ方式 安田の微分積分初級問題集」となります。
著者は当ブログでもよく名前のあがる安田亨先生です。
数学講師といえばで、すぐ名前があがるだけあって良い本が多くあります。
今回もその一冊となります。
安田先生の参考書は以前にも紹介させていただきました。
まえがきの部分となります。
中に「共通一次」の文字が出てきます。
共通一次とは1979年から1989年までの11年間にわたり、国公立大学の入学志願者を対象として、全国で共通の試験問題により一斉に実施された基礎学力試験です。
本書の発行が1985年ですから共通一次が定着してきた時期となります。
その4年後には現在の大学入試センター試験と名称が変更されることとなります。
そして2021年(2020年度)からは試験が改変され「大学入学共通テスト」となることが決まっています。
センター試験の英語にリスニングが導入されたことや、大学入学共通テストでは記述が導入されるなど、ここ数年の間に大学入試の形が変わってきています。
改編時期に当たる受験生にとっては今までの傾向が充分に活用できなかったりと大変な部分はあるかと思いますが、受験勉強ではなくその後も使える勉強への移行が狙いだと思われます。
4技能の導入が予定されている英語の試験に関してはまさにそれを表しています。
大学受験で勉強した方のほとんどが英語を話せない状況となっています。
これはテストで高得点を取る勉強に重きをおいた結果だと思われます。
これについては東進ハイスクールの安河内哲也先生もふれられています。
新たな大学入試では「思考力・判断力・表現力」が重視されるような内容となっています。
私立ではAO入試にあたるものだと思いますが、それが国公立でも導入されるイメージかと思います。
本書から話が脱線してしまいましたが、参考書類を多く取り扱っている弊社にも関係のある内容のため大学入試改変には注目している内容となります。
数学に関しては改変後も大きく変化することは無いと思います。
本書にも「微積分は裏切らない」とあります。一通りのパターンをマスターしてしまえばその習熟度に応じて点数が伸びる分野です。
シリーズとなっている中級と上級も絶版となっているため入手は困難かもしれませんが現在も今後も充分に使える参考書となっています。
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