
- 単行本: 223ページ
- 出版社: 学燈社
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4312345082
- 発売日: 1994/4/1(初版)
平野先生のデータを紹介いたしますと、駿台予備学校現代文科講師をされています。 長崎県出身で1947年生まれ。一橋大学社会学部卒業という経歴です。
授業の印象は、
チャイムと同時に教室に入り、70歳を越えた今も教壇にジャンプして登る。
正統派の読みを展開する。
配布されるプリントは全て手書き。
オレンジのチョークが好きで、白の次に使用頻度が高い。
記述答案や質問には丁寧にコメントをしてくれる。
とても芸能、ニュースに詳しい人で、サンシャイン池崎のネタが雑談に出てくるレベルである。
(引用:お茶飲みwiki)
とても70歳とは見えないギャップのある方のようですね。近影が無いのが少し残念です。
それでは、本文の紹介に入りたいと思います。
確かにはじめに仰られていることは、みんな感じていることだと思います。講師の方は、直接生徒に接している訳ですから余計にそういった思いを強く感じるのですね。解かりやすいはっきり掴めるものから、まったく同じ日本語でありながら掴めないときも多くあるようです。掴みどころがないから「軟体動物」と言われてしまう。そして、先生の仰る「現代文に時間をかけないシンドローム」に陥るということなのでしょう。そこから抜け出すためには、どうすれば良いのか?ということになってきます。
「受験生の幻想1」に時間がかけられない風に判断をミスをしてしまう。格別のことはしなくても現代日本語で書かれているのだから、と。
それは違っています。
完全否定の訳は、入試現代文は、話し言葉の世界ではなく、お堅い書き言葉の世界であるため、高校生は、小説的な文章に偏りがちな読書をしているので、現代文の圧倒的主流であるところの評論文では文章の間に確実なズレがあると総括されていますね。確かに現代文の答えは「たったひとつのこと」を答えとして導きだす訳ですから、評論文と小説では、へだたりを埋めるのは並大抵ではないと思います。
明治大学の国語試験において、文学部では100点のうち60点。他学部では70点を現代文が占め、合格の決定打は、現代文を固める方が得やすいとあります。
古文に時間をかけてきた人にはキツイ現実ですね。
必ず「出題者があてにした情報」が文中に存在する。
その情報を発見する方法論を学び、活用する力を上達できれば、ゲーム的な楽しみができる世界に現代文はなりえる。
そして、得点源になると。
「情報をつかみ、正解への道しるべとする。」
依拠することが、たったひとつのことに導かれる方法です。
最大の敵、フィーリングと残像に惑わされず。
証拠主義に切り替えて、「文中の情報に、どういう根拠で依拠したのか」
を明らかにしたうえでだと、方法論への鍛錬という意味へ変貌できるとありますね。
どうやって正しく依拠できるのか?は、本文を手に取った方だけが到達できる世界ということですね。さわりの部分の画像だけ紹介いたします。
興味深いです。是非ともお手にとっていただき、現代文を得点源にできる実力を身につけてほしいと思える一冊でした。
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