今回は「旺文社 螢雪時代 1949年6月号 赤尾好夫矢野健太郎他」の紹介です。
本日紹介の螢雪時代が発売された1949年に旺文社では「中学時代」という雑誌が創刊されています。
これは当時、大学受験総合誌として刊行されていた螢雪時代の姉妹誌として新制中学校の全学年を対象とし販売されており旺文社は中学生にもビジネスの幅を広げていきました。
かつての旺文社には螢雪時代以外にも○○時代というシリーズがありました。先ほどお話した1949年の「中学時代」始まり、1954年には「高校時代」そして、1975年には「小学時代」が創刊されました。その他にも受験とは関係ありませんが「週刊テレビ時代」なんてものもありました。ちなみにこの雑誌は日本における最初のテレビ情報誌なんだとか!!
因みに螢雪時代については、過去に1946年刊行号を紹介いたしました。こちらも合わせてぜひご覧ください。
少し話が逸れましたが受験雑誌の○○時代シリーズの話に戻ります。
1956年には中学時代が学年別に細分化されました。中学時代は「中学時代一年生」「中学時代二年生」「中学時代三年生」になり1964年からは高校時代が「高一時代」「高二時代」になり「螢雪時代」が高校三年生を対象にした受験に直結する雑誌へと変化しました。小学時代に関しては1978年から「小4時代」「小5時代」「小6時代」に細分化されています。中学時代は細分化された後の1991年に「高校合格」と名前を変え統合されましたが、残念なことにわずか2年で廃刊となってしまいました・・・そして高校時代も高一時代・高二時代を廃刊とし高校全学年を「螢雪時代」が対応することとなりました。
また螢雪を冠したものも「螢雪時代」以外に「螢雪短大」や「螢雪アルシェ」等がありました。
螢雪アルシェは当時人気だった受験生向けラジオ講座のアルシェクラブITEMAEラジオのテキスト誌として刊行されていました。その中でも有名なものは旺文社の創業者である赤尾好夫氏も設立に携わった日本文化放送協会(現・文化放送)の1952年の開局と同時にスタートした通称「ラ講」と呼ばれた大学受験ラジオ講座ではないでしょうか。
しかし文化放送開局当時から続く大学受験ラジオ講座も1995年をもって文化放送では終了しラジオたんぱに移行することになりました。その後「合格ラジオ」と改題され、ラ講は放送され続けましたが1999年に惜しまれつつも終了してしまうことになりました。これにより受験生向けラジオ講座の系譜は47年の歴史に幕を閉じました。
ラジオ講座については、過去のブログでも紹介させていただいています。
こちらも合わせてお読みいただけましたら幸いです。
旺文社 螢雪時代付録 大学受験ラジオ講座 問題演習と解答ラジオ講座の復習 1954 計4冊 岩田一男・河田龍夫・塩田良平他
旺文社から沢山の雑誌が創刊され、そして廃刊になっていき現在は○○シリーズも「螢雪時代」を残すだけとなってしまいました。これはある意味時代の流れの中で起こってしまう仕方のないことでもあると思うのです。
しかし「その時代に合わせて新しいことを取り入れ、求められているものを創り出す」このことは雑誌の刊行のみならずその他のいろいろな事柄にも当てはまる気がします。
その時々の状況に合わせて成長していけることが物事を永く続けていく上で必要なことではないでしょうか!!
雑誌の移り代わりを振り返ることでも、人生を歩む上でも大切なことを学ぶことができますね。
「学べば学ぶほど、自分が何も知らなかった ことに気づく。気づけば気づくほどまた 学びたくなる。」
アインシュタイン(アメリカ)
本著と関連はございませんが、読後の感想をアインシュタインの言葉で結ばせていただきます。
古い雑誌を手に取り、歴史を調べ、その足跡に思いを馳せるとそんな気持ちになることができました。
また、当社で発掘できた面白いものをドンドン紹介して参りますので、
次回更新もどうぞお楽しみに!
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