本日は普段の生活ではなかなか目にしないであろう、予備校の古いテキスト「駿台 日本史A(上)(下)日本史B私大対策日本史テーマ別 1987」をご紹介させて頂きます。
こちらは「第一志望は、ゆずれない」のキャッチフレーズで有名な駿台予備校の1987年当時に使われていたテキストです。
約30年前のテキストということで、状態も年季が入っています。
講師の方は不明なのですが、昔のものでも、「テーマ別」というタイトルや目次に見慣れた単語が並んでいますね。
以前にも駿台の古いテキストをご紹介させて頂きました。
上記は今ではみかけないデザインのように思いますが、今回のテキストは
写真ではわかりにくいかもしれませんが、今の駿台予備校のテキストと同じ色味で、よく使われているマーブル地の紙が使われているのです!
30年前から同じスタイルを維持していることに驚きです。
今の駿台のテキストは A4サイズが主ですが、こちらはハンディタイプで持ち運びに便利そうです。どこでも勉強できるようにこのサイズなのでしょうか。
他の予備校も年代によって表紙のデザインなどが変化しており、それぞれで時代の
センスがみられて面白いですが、
(代々木ゼミナールは独特の派手さがあります!)
駿台は表紙の紙といい、シンプルかつ整然としたデザインを維持しているようにみえます。
(↑1987年)
(↑2015年)
受験戦争に勝ち抜くには情勢の変化に敏感でいなければなりませんが、根本的なところでは自校のスタイルを大事にする気風が感じられます。
古文書のような勉強プリントもはいっていました!
個人的にはそんな昔から予備校というものがあったのだと驚きでした。ここで、駿台予備校の歴史に少し触れてみると、もともとは1918年に英文学者の山崎寿春先生が当時の受験勉強のあり方に疑問を抱いて創設した「東京高等受験講習会」 が前身となっているそうです。
山崎寿春先生は東京外国語学校(現在の東京外語大学)を卒業し、教職を経て留学した後、明治大学で教鞭を振るう傍らで受験生の指導にもあたりました。
そんな中で、教科書の内容を詰め込むだけの指導に疑問を抱いたのが始まりだそうです。
さらに、勉強を教えるだけではなく、周囲が愛情をもって接することで受験生が力を発揮できると考え「愛情教育」という理念を掲げたそうです。これはそのまま今の駿台予備校の教育理念ともなっています。
1918年を駿台のスタートと考えると、来年にはなんと100周年です!
そんなに昔から受験という戦いはあったんですね。
駿台のこちらの特設ページでは、駿台の歩みや教育への情熱を知ることができて大変おもしろいです。
1980年代の大学進学率はというと、50%以上となった昨今から大きく下回る30%台という時代。
当時のエリートとして若者たちのプレッシャーや気概は、今の受験生のみなさんと変わらない、もしかしたらそれ以上だったでしょう。
いつの時代も若者は将来のために真剣に勉強していたんだなとと古いテキストを前に想像すると、現代の私たちも負けてはいけないという気持ちになる今回の出会いでした。
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