本日紹介するのは「数学バイパス1 微分のひみつ」です。
著者は黒田俊郎さんです。
本書は「分数を知らなくても微分がわかる」といったキャッチフレーズがあります。
数学での教育について書かれています。
この画像の続きには
「高校生になっても1/2+1/3=2/5という計算をする生徒がいるので話にならない、という先生がいるが、私は方法はあると思う。そういう生徒に、小学校の教科書からやり直させようとしても成功しないだろう。それは生徒の自尊心を傷つけるからだ。
そのためには、小学校ではやらなかった新鮮な教材をぶつけてみることだ。そうすることによって、生徒たちにやる気を起こさせることができる。
数学は系統的な学問ではあるが、決して単線の一本道ではなく、もっと融通のきく複線道路になっている。そういう道路を開拓してやる必要があるし、またそれは十分可能なことである。
これは、そういうねらいをもった意欲的な本である。」
と続きます。
「落ちこぼれ」と「落ちこぼし」
当時の数学での教育方針に対して苦言を呈されており、その対処方法まで提案されています。
中身を見てみると、イラストを交えながら解法が数パターン書かれています。
当時の学校教育では一つの解き方を教え、それ以外は間違えだという教え方が当時は色濃かった様に思います。
それに対して本書では数パターンの解法を説明することで、考え方の幅を広げようとしているのだと思われます。
またイラストが多く載っているのも数学が苦手な人にとっては入りやすいつくりとなっています。
もちろん現在では解法について数多く証明されており解答に至る道は多数あるといった教育に変わってきています。
何度か改訂版が出版されています。
また微分だけでなくシリーズで積分や幾何、行列などもありますので興味を持たれた方は是非ご覧になってみて下さい。
一度ついてしまった数学に対する苦手意識を払拭するのは大変だと思いますが、本書を入門編としみてはいかがでしょうか。
数学が苦手な方だけでなく、数学が苦手なお子さんや生徒さんの教え方に困っている方にもおすすめの一冊となっています。
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