今回は「旺文社 なべつぐのひける物理Ⅰ 1979 初版 渡辺次男」を紹介いたします。
著者は皆様ご存知。当ブログでもお馴染みのなべつぐ先生こと渡辺次男先生です。最早説明不要の大先生ですが、なべつぐ先生についてはこちらのページでご紹介させていただいております。
それでは早速本書の内容を覗いてみましょう。
まず一番最初に記載されているのが教科書傍用に徹した参考書であること
なのでこちらの参考書では教科書に書かれているような内容はできる限り省かれています。しかし問題に対する説明が少ない為ただの問題集と勘違いしてしまう人もいるようです。
なべつぐ先生曰く物理Ⅰは教科書だけで十分だそうです。なぜなら教科書に書かれている説明がそのまま問題に変換されていたり、同じような問題が違った形式で書かれていたり、また同じ項目が異なる表現で別々のところに入っている場合もあります。
そしてなべつぐ先生の経験から説明というのはいくら読んでもわからないとも書かれています。例えば、「内力とは何か」という説明をいくら読んでもわからない。ところが「・・・のとき内力はどれか」であればぐっとわかりやすくなり「・・・のとき内力の大きさを求めよ」とすればさらにわかりやすくなるのです。
その理由としてこうも書かれています
問題として「人間とは何か」と聞かれても答えることは非常に難しいのです。
「人間とは道具を使う動物である」「人間とは火を使う動物である」
といろいろな表現をして、それがそれなりに意味があるとしてもそれだけではわかったことにならず答えであって答えでない。つまり説明を読んだだけでは、なかなかわかったことにはならないのです。
しかし「この中で人間はどれか」という問いであれば比較的簡単に答えることができます。
つまり○○とは何かという説明を読んでも理解し辛いが、この場合○○はどれかとするとわかる場合があります。本書にはそのような問題を集めてあり、本書に登場する問題を解くことによって実は教科書を読んで理解したことと同じになるのです。
そして上記の特徴の問題を集め、教科書を十分に理解するための道具として作られたのが本書という訳です。
ですがなべつぐ先生はこうもおっしゃられています。
道具というものは使う人によって扱い方も効力も効果も違ってくる
では教科書傍用の参考書はどのようにして使うのが効果的なのでしょうか?
その方法とはずばり教科書と併用する
教科書傍用参考書の特徴から登場する問題はほぼ確実に教科書のどこかに類題が載っています。その類題を参考にすることが非常に効果的になります。教科書に書かれている例題や解説を元に授業の内容を思い出し、復習・反復練習を行うことにより理解が深まりその知識を習得できることが往々としてあるからです。
しかし中には微妙に問題のパターンが違っていることがあります。その場合はどうすればいいのでしょう?こういうときに大事なことはどこが違うか考えてみることです。
この問題は、見かけは違うが本質的なことは教科書の問題と同じだ
ということに気付くことができれば、その知識を自分のものにできたといえるのではないでしょうか!
教科書傍用参考書+教科書この二つの道具を上手に使いこなすことができればなべつぐ先生のおっしゃる「物理Ⅰは教科書だけで十分だ」という理論を実践できるように思います。
この記事へのコメントはありません。