本日は「 河合塾 ウルゲン 2004 夏期 山西博之」を紹介させていただきます。
こちらのテキストの講師は山西博之先生です。
山西先生の授業では文書全体を俯瞰し、問題文を黒板いっぱいに書きながら対比と相似による独自の解法で行っていくスタイルです。
今回の「ウルゲン」以外にも「ウルゴジ」と呼ばれる漢字力と語彙力の増強する授業などもありました。
しかしその独自性から合わない人には合わない場合もあるようですが授業そのものは多くの受講生から高く評価されていました。
それではテキストの中身を確認してみましょう。
はじめに書かれていることは君へのメッセージと題して
タタカッテ、いますか?
受験はタタカイである。そしてタタカウ相手は、浪人生や現役生などのほかの受験生ではなく自分自身だと書かれています。弱くてズルくて情けない自分自身、これが一番の強敵なのです。しかし違う自分に憧れて夢みて暮らしても何も変わらない。今の自分を変えなければならない。だから第一志望をしっかり決めて自分の限界をぶち破りただひたすらに突っ走る。時には辛さに泣きながらそれでも笑って受験を楽しむ、それが受験のタタカイなのですね。
では「ウルゲン」の本題に入っていきましょう。
山西先生曰く「入試は現代文で決まる」そうです。ところが意識的に取り組む人が少ないともおっしゃられています。やり方がわからず伸びると思えないことがその原因ではないかと山西先生は考えているようです。
そこでウルゲンで教えることは次の三つになります。
①時間内に文章(本文)を読める力
②時間内に設問を解ける力
③その2つに必要な語彙力と知識
それを身に付けるために次のような方法をとっています。
まずは予習はせずに20分~25分で問題を解く。なぜなら現代文は制限時間が合否に直結するためダラダラ時間をかけた予習は実践的でないとの理由です。
そして問題演習直後に山西先生の解説・講義が始まります。
生徒達が何をどう迷ったか忘れないうちに出題者がどういう意図で問題を作りどう答えるべきだったかを講義を通して定着させることが目的です。
これにより限られた制限時間内に最大の力が発揮できる実戦力を身に付けることがウルゲン最大のテーマなのです。
制限時間内に3000文字以上もある文章をやりきるために必要な力
それが、文章を読むための概念・設問を解くための技術・概念と技術を支えるための知識このウルゲンで身に付ける三つの力を山西先生は「勝利を呼ぶトライアングル」と呼んでいます。
家で行う復習のやり方についても書かれています。
先ほどの話にもありましたが山西先生の授業では予習の必要はあまりありません。しかし復習の重要性は、非常に高いものになります。ウルゲンを活かすも殺すも復習の密度次第なのです。
まず設問の解き方について
これは授業中に板書した問題解法のプロセスを自分自身で再現しどのような手順で正答に辿りついたのかの確認を納得できるまで行う
そして本文の内容や概念の要約について
教材自体を熟読し本文の要約を行い頻出思考パターンのストックを増やす
最後に漢字・語句の復習と関連事項の知識習得
授業中に板書したり口述したりした漢字や重要語句をもう一度確認し暗記する
これは覚えようという意思の力を身に付けるトレーニングにもなります。
ここでもやはり概念・技術・知識の勝利を呼ぶトライアングルが登場しています。
この徹底した概念・技術・知識を身に付けることができればウルゲンをマスターできたと言っても過言ではありません。
今回ご紹介させていただいたウルゲンの最初に書かれていたタタカウということは他者と争うことではなく、弱い自分自身とタタカウことである。
そのタタカイを勝ち抜いたものだけが手に入れられる強さが勝利に繋がるのだと思いました。
あなたはいまタタカッテいますか?
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