本日も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。
今回、紹介させていただく1冊は、1993年発行の比較的古い書籍となり、現代文では実戦的・応用的な読解方法で構成されている注目の1冊です。
現代文で点を取ることに焦点を置いたテクニック集でもあります。
『ライオン社 だれでも解ける現代文の公式12 武石彰夫著書 1993年発行』
こちらの参考書は
「どう勉強したらいいのかわからない」「勉強しても仕方がない」といった不安やあきらめは現代文の勉強にはつきものです。
現代文ほど、授業や日常の学習と入試問題との落差が大きい科目で、こうした不安をもつ受験生に正しい解答を導き出すテクニックを伝授する参考書です。
本誌の特色として
・入試頻出の設問パターンと直結の解答法
・「読解力」より「正解力」をズバリ習得
・「公式」→「ポイント」→「例題」の段階方式
・過去の入試問題で構成した実戦的例題
著者は、元高知大学教授で仏教文化研究所所長を務められた武石彰夫先生(1929-2011)です。
先に武石彰夫先生のプロフィールを紹介させていただきます。
武石彰夫先生は
法政大学文学部日本文学科卒業。
高知大学教授をへて、朝日大学教授、東洋大学講師などを務められました。
国語教育に活躍し、大学受験ラジオ講座の講師として受験生に親しまれ、高校生のための国語教科書、参考書などを多数執筆されております。
著書には『古典評論 – 問題研究』『現代文の攻略法7則』など多数執筆されておりますが、
今回はそんな著書の中から『ライオン社 だれでも解ける現代文の公式12』を紹介させて頂きます。
それでは、本書を目次から見ていきたいと思います。

目次PART1《公式1-12》

目次PART1《活用1-7》
目次を見させていただきますと、公式が12項目、活用が7項目からなっております。
PART1で12項目で紹介されており、タイトルの「現代文の公式12」とは、12冊目の公式本だと思っていましたが、
公式が12項目紹介しているということだったんですね。
「キメル!」が決め台詞なのか、公式全てのタイトルに入っているので、気になってしまいました。
現代文を読みこなすルールや法則を集めた「公式集」的な書籍は多数ありますが、こちらの「だれでも解ける現代文の公式12」はどのようなものか
早速内容を見させていただきます。

公式1 《主語でキメル!》
各公式で、まず赤枠で重要公式が記載されており、その項目につきての
「ポイント」「例題」「解法」の順に説明があり、シンプルな構成です。
「ポイント」では、見出しの公式について実際の具体例をもとに解き方とポイントを詳しく説明されています。
特に大切な点を、「急所」としてポイントをさらに詳しく説明されております。

即戦公式編 読解のポイント
さらに、例題を元に読解のポイントが解りやすく図解入りで説明されております。
各公式がズバリ活用できる例題を厳選され、実際の入試でよく問われる設問パターンを意識した構成となります。
「読解のポイント」は、例題のみならず、他の問題にも対応できるように、読解力を習得できるように、工夫されております。

即戦公式編 例題の解法
解法も、単なる例題の解説ではありません。ポイントでの解き方をどう当てはめれば正解にたどり着くのか、
公式の適法方法が記載されております。
次に、PART2も冒頭部分を見させていただきます。

PART2 活用1

活用編 解法のポイント
PART2は、「公式応用編」ということで、より実戦的な問題を公式を応用して解読するという
少しテクニックが必要になりますが、その辺も詳しく説明されております。
「解法ポイント」では、PART1で学んだ使用する公式を交えての説明となりますので、こういうパターンではこの公式を使うというのが非常に解りやすいです。
1問で、この公式と別の公式を使用して解答を導くというパターンもあり、ここでも「キメル!」が定番でした。
今回も、本書を利用された熱心な方のコメントがありましたので、少し紹介させていただきます。
この本をただのテクニック集にするか否かは読者にかかっています。
①既に現代文の実力が相応にある人
②武石先生のテクニック集でない本(「現代文の攻略法7則」「ラ講テープライブラリー現代文鉄則8パーフェクトマスター」等)を読んだ人
③武石先生の②であげた本は全部絶版なので代替として駿台文庫の藤田修一先生の記号読解法を中心とした「基礎から説く現代文読解の要点」(絶版ですが手に入りやすい)、「大学受験必修現代文入門―記号でつかむイイタイコト」(絶版ですがまだ手に入る)、「現代文演習 入門篇」(入手可能)をこなしている
という①~③の条件を満たしている人が読むと「正解を導くきちんとした読解をするためのテクニック集」に早変わりします。
本書の特徴をまとめさせていただきますと
・「読解」より「正解」の点を取るテクニックに絞っている。
・ 例題を使いながら(例題の解説はありません)公式化されたテクニックを解説していくテクニック集。
・ 例題には過去の入試で使用された良問を使用し、公式を説明している。
本書を見させていただいて、冒頭で「どう勉強したらいいのかわからない」「勉強しても仕方がない」という受験生に!という説明をさせていただきましたが、
この表現は本書で説明されている表現となるのですが、本書を見る限りでは、入門書的な参考書ではありませんので現代文が苦手な方にはなかなか難しい参考書かと思いました。
どちらかといいますと、ある程度現代文を理解し、もっと正解率を上げたいという方に向いてる参考書かと思います。
今回は武石彰夫先生の『だれでも解ける現代文の公式12』を紹介させていただきました。
紹介させて頂いたのはわずか1公式のみと実戦例題のみですが、他の項目にも先生のこだわりの公式が掲載されておりますので、是非お手に取っていただきたい書籍です。
これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。
次回更新もどうぞお楽しみに!
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