本日も、当社で発掘できた絶版参考書の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。
2002年発行の書籍ではありますが、国語指導では定評のある田村秀行先生の入門本としては今でも高く評価されている書籍です。
『栄光 田村のセンター国語ポイント講義 大学合格ドリームチーム選書 2002』
田村秀行(著)でございます。
- 単行本: 102ページ
- 出版社: 栄光
- ISBN-13: 978-4872932232
- 発売日: 2002/06
画像からも分かるかと思いますが、こちらの書籍は
『大学入試センター試験の、「国語I・II」の三年分の全問題を解説。設問の解法を、センター試験の実態に合わせて、なるべく少ないポイントにしぼり、評論・小説・古文・漢文の入門または確認のツボを解説しております。』
基礎の反復を終えたあとに使用する参考書というイメージです。
構成は極めてシンプルで2000年~2002年のセンター試験本試験3年分の国語の問題を掲載。本冊が解答解説で、別冊が問題という形式の参考書です。
それでは、本書の紹介に入る前に、少し田村秀行先生の略歴を詳細させていただきます。
田村先生は、1952年生まれ、東京都世田谷区出身。
京都大学文学部哲学科(仏教学)卒
卒業後、すぐに塾講師・家庭教師で訓練した後、1981年より大手予備校の現代文・小論文講師を務める。著書 『現代文年間カリキュラム1~3』『現代文記述問題説明』(栄光)をはじめ、代々木ライブラリー・大和書房などから現代文・小論文の参考書・問題集を出版されております。
一般書では、ペンネーム大伴茫人(おおとものぼうじん)で『姫様と紀貫之のおしゃべりしながら土佐日記』『語り物伊勢物語』など古典物を出版。またパズル作家でもあります。
田村秀行先生の有名な『現代文シリーズ』参考書は以前にも紹介させていただいておりますので、
よろしければこちらもご覧くださいませ。
それでは 今回の本題『田村のセンター国語ポイント講義』を紹介させていただきます。
まずは、目次から
田村秀行先生というと『現代文』というイメージがあるのですが(印象に残っているのが田村の現代文シリーズなので)、こういった歴史的古文・長文の設問を的確に説明されております。
はしがきでは、田村秀行先生のその辺のことも記載されており、
『現代文講師』として知られてきましたが、(中略)それにあき足らず近年は『日本語講師』であることを標榜してきました。
と、古文・漢文に関しても修練され、この『田村のセンター国語ポイント講義』に繋がってきております。
本編で、まずセンター試験国語の特徴を解説しています。
・国語の全体像から、各科目(評論・小説・古文・漢文)の分析。
・時間内で解答を出し切るための田村先生的「戦術」。
古文が比較的むずかしい時代の参考書ですので、そうした時代背景が反映された記述も目立ちます。
上記の画像は問題文の一部ですが、
古文の解説には、本文の全訳文を掲載、設問の各選択肢は詳しく解説しています。田村先生の訳や説明は読むだけでも価値があります。
漢文の説明には、書き下し・全訳文・各問題の解説という構成で、こちらも田村先生の文法的な解説が加えられています。
古い参考書にはなりますが、今でもセンター試験対策の初めの1冊目にはちょうど良い参考書とされ、評価の高い一冊となります。
そして、田村秀行先生の略歴でも紹介させていただきましたが、
『姫様と紀貫之のおしゃべりしながら土佐日記』
も非常に評価が高い書籍となりますので、古文が苦手な方には、是非!読んでいただきたいです。
土佐日記の翻訳だけでなく、著者のユニークな文章力は必見です。
古い書籍を見ていると、その時代時代の流れも新しい発見となり、懐かしい限りではあります。
それでは次回の更新をお楽しみに!
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