本日紹介するのは「数列と行列が面白いほどわかる本」です。

著者は細野真宏先生です。

細野先生は数多くの参考書を書かれており、「細野真宏の○○が本当によくわかる本」は人気のシリーズとなっています。



まえがき部分には先生が講義で気にされているポイントや、自身が数学の面白さに気づくまでの経緯が書かれています。
そして、表紙にもある偏差値を30から70にあげる数学についても書かれています。
偏差値を30から70にあげるのであれば、既に70台の人にとっては関係ないと思われるかもしれませんが、丁寧に解説されている本書は、高偏差値の方であっても本質的な考えを理解するのに十分役に立つことでしょう。
実際細野先生のところにはそういった声も数多く届いているそうです。
しかし、同時に偏差値30では本書は理解できないといった声も多くあったようで、計算式に補足が入ったりし、出版社も偏差値55以上で紹介されていました。偏差値30、40の人はまず教科書からやるべきという声も少なからずありました。


次にこの本の使い方についての説明が書かれています。
Step1:とりあえず例題を解いてみる。(1題につき10~30分ぐらい)
Step2:解けても解けなくても[考え方]を読む。
Step3:[解答]をながめて全体像を再確認する。
Step4:練習問題を解く。(時間は無制限)
以上4つの流れで全ての問題を解けば理解できるようになっていますが、1回で理解するのは難しいため、本書でも3回は繰り返しましょうと言われています。
「1回目はどのくらいの日数で読み終わればいいのか?」といった質問が細野先生のところへよくあったそうです。
これに関して先生は、目安としては表紙にもある1週間である。しかし、人によって予備知識が違ったり、1日に掛けられる時間も違うだろうから、3日で終わる人もいれば2週間掛かる人もいる。なので結論的には、「何日かかってもいいから本に書いてあることを分かるようになるまで頑張って読んでくれ」とあります。個人差があって当然なのだから、1週間で終わらなかったからといって投げ出さず最後まで読み切ることが大切だと言われています。

実際の問題部分を見てみると数学的帰納法について解説されていました。
数学が苦手な人にとって、数学的帰納法という文字や数式だけをみてもなかなか理解しにくいものです。
数式だけから意味を理解できる人なんてほとんどいないと思いますが、このようにイラストも交えつつの解説があると本質への理解がよりしやすくなります。
ただ暗記で終わってしまっていた人も本書によって本質的な考えが分かるようになり偏差値を上げていけるのだと思います。
細野先生は数学の参考書だけでなく政治や経済などの分野でも数多くの本を出版されています。
参考書とは違いますが、『「未納が増えると年金が破綻する」って誰が言った?』はamazonの2009年度の新書部門で年間ベストセラー売上1位を記録されています。
数学だけでなく経済解説者、映画評論家など幅広い分野で活躍されている先生の本をお手にとってみてはいかがでしょうか。
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