本日は、「代々木ゼミ方式 よくわかる例題演習シリーズ4 田島の微分・積分 1986 田島稔」を紹介いたします。
今回紹介する「よくわかる例題・演習シリーズ」は田島先生の代表作です。全5巻のラインナップは以下のとおりです。
よくわかる例題演習シリーズ
『田島の数学 I』 (代々木ライブラリー、1986年) ISBN 4896801121
『田島の代数・幾何』 (代々木ライブラリー、1986年) ISBN 489680113X
『田島の基礎解析』 (代々木ライブラリー、1986年) ISBN 4896801148
『田島の微分・積分』 (代々木ライブラリー、1986年) ISBN 4896801156
『田島の確率・統計』 (代々木ライブラリー、1987年) ISBN 4896801164
今著は、通巻4冊目にあたります。
まえがきにも書いていますが、こちらの本は基本は知っているが、問題がよく解けないという生徒に向けて、
独力で、短期間に仕上げられる。学生の要望に応えるために執筆されたものであるということがよくわかります。
本当によくわかるから、自分で問題が解ける(できる)というコンセプトは現在にも通じる秀逸なコンセプトだと思います。
長く続くにはちゃんと理由があるのですね!
全6章で構成され、ページ数は比較的、薄めの本となっております。
しかしながら、理解を深めるための工夫が満載です。
下の画像をご参照ください。タイトルにある「よくわかる例題演習シリーズ」というのは、そのまま今著の構成を表しています。「例題」は、当時の入試問題から基本的かつ、典型的なよい問題が精選されて紹介されています。
この例題をマスターするだけで、基礎力が十分に完成します。
そして「よくわかる」の表示は、お気づきでしょうか?
出題の意図は何か?から出発して、問題の内容や解法のプロセスの解説がされています。
特に解法のプロセスは、問題文と比較するとビジュアル(図)を多用して視覚的に考えて解りやすくなるように構成されています。写真でみるとよくわかりますね。
そして、参考となるべき事柄については「研究」と表示されて理解を補うように配置されています。
画像はありませんが、各章には「演習」が最後に用意されており、例題で学んだことをより確かなものにするための問題が集められています。
これにより実力がアップされる訳です。
現在の参考書では、よく見かけるこの構成も原型はこの時代にはじまったものなのですね。
なるほど、例題にたいしてよく分かる解答解説がされています。
少々、先生のプロフィールを紹介をさせて頂きます。
田島 稔(たじま みのる 1944年-)は、1970年代後半~1990年代前半まで活躍した元代々木ゼミナール数学科講師。代ゼミ数学科の最盛期を支えた講師の一人(同時期の講師は山本矩一郎・土師政雄・牛尾徹朗・諸橋実・安田亨など)。元 日本獣医畜産大学助教授。クリア会主催。
講師以外にも多くの数学の本を執筆されている先生、過去にもブログで紹介させていただいたテキストもご覧になってみてください、こちらではさらに先生のお人柄についても少し書かせていただいてます。
田島先生のお言葉で、
「シリーズ1~5は、基本の正しい理解から初めて、解法の正しいプロセスを詳しく解説することに重点を置きました。」
「これによって、高校数学の総まとめが、さらには入試数学の基礎力が完成されます。」
とありました。
絶版に付き入手は難しいかもしれませんが、
「なお、最近の”複合的かつ総合的”な入試問題に対処するには、姉妹編である、Advance編を学ばれたし!」
中古などでは入手できる可能性もございます。ご興味の湧いた方、または思い出した方、探してみて、手に取って挑戦してみるのは、いかがでしょうか?
もちろん、弊社へまた入荷があればシリーズ続編の紹介もさせていただこうと思います。
それでは、また次回をお楽しみに!
「なお、最近の”複合的かつ総合的”な入試問題に対処するには、姉妹編である、Advance編を学ばれたし!」となっていましたが、発刊されました。
>「なお、最近の”複合的かつ総合的”な入試問題に対処するには、姉妹編である、Advance編を学ばれたし!」
>となっていましたが、発刊されました。
>
訂正します。こちらは「未刊」です。「数学Ⅰ」もはじめは「Basic編」となっていましたが、結局「Advance編」
は未刊で旺文社から「特ゼミ数学Ⅰ」が出版されました。