今回ご紹介する書籍は、有坂誠人講師著の『英語 例の方法 最新版』です。
<< 例 の 方 法 >>
このたった4文字のタイトル、ものすごく気になりませんか?
なにか好奇心をくすぐられるような…
刑事ドラマ等で、犯人の台詞としてよく使われる、
『例のもの』とか『例の人物』という言葉、すごく気になってしまいますよね。
何かとっても重要なものが隠されているような、あの感じ、分かりますよね?
そんな興味をそそられる本の著者である有坂誠人講師を、簡単ではありますがご紹介します。
有坂誠人講師
国際基督教大学(ICU)卒業。
編集者を経て、代々木ゼミナール講師となる。
豊富な経験を生かした講義とその温かい人柄で、受験生からの圧倒的な支持を受けている。
専門の現代文、古文から編み出した独自の『例の方法』は、全教科にわたる受験指導でも適用され、大きな成果をあげている。
~著書~
○有坂誠人の現代文速解 例の方法
○英語長文例の方法―出題者心理から、正解を導き出す「5つの原則」
○古文例の方法―解釈できなくても正解が出せる“有坂流推断法” 等
以前にも有坂誠人講師の書籍をご紹介しておりますので、こちらも是非ご覧ください。
さすがっ!この心くすぐられるタイトルも、きっと編集者時代の経験に基づくものなのでしょう。
さ、うずうずしてきたところで、内容の紹介をしていきましょう。
プロローグには、
『例の方法』とは何か….
『例の方法』がどのように生まれたのか….
が記されています。
大学受験では、分からない問題に出くわすと<ヤマカン頼り>になりがちですが、本来はもっと確実な“いい方法”がちゃんと用意されているのです。
文法力や単語力が足りなくても、長文の意味がわからなくても、
合格ライン6~7割はとれる、それが『例の方法』なんです。予備校の講師として実際に模擬試験をつくったり、受験生の面倒を見ているうちに、大学入試問題の多くが、選択肢からのアプローチで解けるということに気がついたのである。
そして、問題文の形式や設問のスタイルを研究していくうちに、選択肢から正解を導き出すうえで必要な“法則”がいくつか現れてきた。
それを体系化させたのが、『例の方法』なのです。
『例の方法』をひと言でいえば、
問題をつくる出題者の心理を逆手にとって、選択肢からのアプローチで正解を導き出そうという発想なんです。
では、なぜ選択肢を見ただけで正解が導き出せるのか。
それは、選択肢には、その問題をつくった人の「不正解の選択肢を選ばせてやろう」という“作為”が表れているからなんです。
これを聞くとなんだかとても悪い印象を受けてしまいますが、出題者もひと目で正解がわかってしまうような問題をつくるわけにはいきませんからね。
それなら、こちらも、その“作為”を見抜く力を身に付ければいいっ!
そういうわけです。
受験というのは、心理戦でもあるんですね。
やはり奥が深いです。
この書籍『英語 例の方法 最新版』では、出題者の心理の探り方が色々な角度から紹介されていますので、
さらに詳しく読み進めて行きましょう。
★覚えることは“5つの原則”と“7つの視点”
出題者の心理を探るための基本となるのが、“5つの原則”
この“5つの原則”であっさりと解けてしまう問題もあります。
しかし、中には一筋縄ではいかない問題も多くあり、
そんな時に必要になるのが、“7つの視点”
“5つの原則”と“7つの視点”を総動員させて設問にあたっていく、
これが『例の方法』なんです!
ここからは、その“5つの原則”と“7つの視点”が具体的に示されています。
例の原則1:共通する“単語のカタマリ”を見つけて、選択肢を汚せ
例の原則2:本文中と同じ言いまわしを使っている選択肢は不正解
例の原則3:文章の構造が似ている“選択肢グループ”をチェックしておけ
例の原則4:“同義語”“縁語”“反意語”に印をつけて、選択肢を絞り込め
例の原則5:日本語の選択肢は、意味が通じるかどうか考えて読め
≪原則≫にしたがって、とにかく自分で鉛筆を動かし、選択肢をどんどん汚す。
正解がひとつに絞れないものは深追いせず、
次の“7つの視点”を取りいれ、二重、三重に選択肢を検討していきます。
例の視点1:選択肢を読むときは、つねに“常識”を働かせろ
例の視点2:下線部の直前の英文と、選択肢の文章を見くらべてみろ
例の視点3:あまりにも“素朴”な直訳には、飛びつくな
例の視点4:選択肢のなかに“孤独の印象”を与えるものがあったら要注意
例の視点5:「むしろ」や“二重否定”など、深みのある表現に注目しろ
例の視点6:選択に迷ったら、辞書での解説が多そうな単語を含む選択肢を選べ
例の視点7:選択肢が、プラスイメージか、マイナスイメージかを判断しろ
選択肢に含まれる“アヤシイなにか”を見抜く鋭い視点を持つことが重要なんです。
ひとつの判断材料から選択肢を絞り込むのではなく、あらゆる角度から総合的に判断する、
これが『例の方法』ということです。
問題の出題者は、受験生を混乱させるべく、
“いかにも正解らしい”それでいて“絶対に正解ではない”
そんな選択肢を作り出します。
似たような言い回しを使ったり、似たような単語を使ったりして
不正解の選択肢をデッチあげるわけです。
私も何度もその罠にひっかかった経験があります。
しかし、出題者が様々な手を加えて混乱させようとした結果、そこには必ず小さなほころびが生じるんです。
“5つの原則”と“7つの視点” つまり『例の方法』を使えば、その小さなほころびから“アヤシイ雰囲気”を見抜くことができます。
さっ、だんだん面白くなってきました。
当たり前の事ながら、受験には必ず時間制限がありますよね。
1~100まできっちりと読み込んで丁寧に正解を導き出す、なんてそんな余裕はありません。
短時間のうちに正解を導き出す為の“手がかり”を見つけなければいけません。
出題者が手を替え品を替え、複雑で紛らわしい選択肢をデッチあげるのであれば、
受験する側だってそれなりの、いやそれ以上の作戦を立てて挑みたいものです!
受験というのは、どうやら、\!!正面から体当たり!!/というわけにはいかないようです。
繊細な心理戦がそこにはあるのです。
さ、気合を入れなおしましょう!
“5つの原則”と“7つの視点”をしっかり読み込んだら、次は実戦編です!!
92ページ以降には、『例の方法』を駆使して正解を導き出すためのアプローチ方法や、
得点力アップのための読解法が記されており、
最後には『例の方法』を生かすための演習問題が多数掲載されています。
『例の方法』を身に付けるためには、様々な問題を解きながら、出題者の思惑を探っていく必要があります。
実戦編では、見極めなければいけないポイントが、出題者の心理とともに細かく書き記されており、最初はその出題者の心理や意図に敵意さえ感じるかもしれませんが、
『例の方法』を駆使してその心理戦に打ち勝った時の爽快感は、ひとしおです。
初めはなんとなくぼんやりだったものが、問題数をこなしていくうちに、
原則や視点を自分で照合させながら、解いていけるようになり、いつの間にか自分の判断に自信が持てるようになります。
『例の方法』を完全に自分のモノにして、出題者の“作為”を見破りましょう!
\心理戦を制するものは、受験を制する/
この記事へのコメントはありません。