今回ご紹介する本は、和角仁先生の『みてすぐわかる古文 グリデン式 続』です。
発売日:1984/10/1
ページ数: 159ページ
ISBN-13 : 978-4385219684
出版社 : 三省堂
はじめに、著者である和角仁先生はどのような人物か紹介していきたいと思います。
早稲田大学大学院文学研究科(日本文学専攻)修了され、三宅周太郎、安藤鶴夫、加賀山直三に師事し、1964年から歌舞伎の評論活動を行います。
さらに「創」「朝日ジャーナル」「演劇界」などで評論活動を行いながら、目白学園短期大学の講師として芸能史・歌舞伎・演出研究等を教えていました。
やがて澤村宗十郎と提携「古典歌舞伎復活の会」を結成し、国立劇場で歌舞伎の公演活動を行い、その後、代々木ゼミナール、早稲田ゼミナール、東進ハイスクール等の予備校、進学教室プレパで講師を務めました。
歌舞伎の評論家かつ講師として生徒達にも歌舞伎や芸能史等を教えていたのですね。のちに、東進、代ゼミといわれる難関大学を目指している受験生に古文を教えており、幅広く活躍しました。
では、本書の紹介にいきましょう。
まずこの著書では、「グリデン式解法」という言葉がたびたび出てきます。
グルテン式解法の「グリデン」とは、和角先生が愛用している重要なポイントに使われるマークのグリグリでんでんむし、略して「グリデン」のことを指します。
なんだか親しみが湧いてくる言葉ですよね。
この独特な解法をあみ出し、先生は生徒からの人気は凄かったとか。
和角先生も後に「グルデン先生」という愛称で呼ばれていました。
本書の最初には、「グルデン式解法」を用いて、問題を解く際の重要な点やワザについて書かれています。
”句切れの問題は三句切れと二句切れが多い”
(「え!そうなの!?」)
”古文の書き取りでは「こと」が狙われる”
(「どういうこと!?気になる!」)
目次を少し見るだけでも、知りたいことが沢山ありますね。
目次写真の後半の「特別な解釈をするもの」は、識別問題と言われる活用のことでしょうか。
一つの言葉に複数の意味が存在していて、文脈と動詞の活用形からその言葉がどのような意味をもつのか問われる問題です。ただでさえ古文の文章は古語で書かれていて読みづらいです。しかしながら、必ず試験でも出題される問いでもあります。
もしかして先生の解法を知れば、もっと簡単に解ける方法があるのでは・・・?(気になる方は本書を是非)
そして、古文世界の常識が丁寧な解説付きで載っています。現代とはまるで違う常識であったりルールが解説されていて、これを知っておけば、古文を解く上でとても役立ちます。
例えば、写真3つ目の「平安時代の貴族階級」のことについて事前に知識があれば、文章を読む前から、キーになる単語や人物が分かったりして、理解度が高まったり、入試では時間短縮にもなります。
古文自体はまったく違う世界のお話ではなく、私たちが生まれる前の昔々の事なので、読みやすく興味が湧く内容だと思いました。
古文を勉強する時、まずぶち当たる壁、動詞・助動詞の活用を覚えるのに苦労した人は少なくないと思います。
私もその一人です。
覚えてもうまく活用するまでに時間が掛かったなんて人もいるのではないでしょうか。
しかし、この「グルデン式解法」では活用という方法を使わず、識別問題を解けるのです。
これは画期的ではないでしょうか。
「古文を勉強しても中々点数が取れない」「古文特有の言葉がわからない」「古文の参考書はどれを選べばいいのかわからない」って方は
是非この本をとってみてはいかがでしょう。
和角仁先生の著書は他にも沢山ありますので、是非この機会に。
それでは次回もお楽しみに。
この記事へのコメントはありません。