本日は「オッサンワールド出版 青春の高校数学② 数Ⅱ-数B 2007 方手雅塚 」の紹介をさせていただきます。
著者は方手雅塚先生です。
裏表紙には著者を良く知る西川裕章氏のことばがあります。
本書は前代未聞の高校数学参考書である。
どこでもいい、本書を開いてみるがいい。
信じられない光景を目の当たりにするだろう。
これは誰もが一度は読むべき本である。
前代未聞の高校数学参考書とはどのようなものなのでしょうか?
まず目を引くのが青春の一文字。
「高校数学はやはり青春である。それはほぼ間違いのない事実である。」
「本書は形としては高校数学の参考書であるが、その焦点は常に青春という一点に置かれている。」
本書の序文にもこう書かれています。
いったい青春と数学がどのように関係しているのでしょうか?
それでは内容を確認しながら数学と青春の関係について解明してみましょう。
ぱらぱらと目次を読んでみたのですが今のところ青春のせの字も出てきません。
では、まずは第1章の式と方程式です。
「整式の除法は青春である。それは整数の割り算と同じくらい青春である。」
また青春という言葉がでてきました。
方手雅塚曰く残念なことに、多くの高校生はその事実に気づかずただ割り算が出来ればそれで満足してしまう。
そして青春を終える頃にオロオロと見苦しい姿を見せることになる。
このままではオロオロと見苦しい姿を見せることになりそうなのでもう少し読み進めてみましょう。
まずは整数の割り算から見てみようとのことなので青春探しを行ってみます。
159÷12の計算の仕方について書かれています。
重要なことは、12に何かを掛けたものを引いていき高い桁の数字から順に消していくということである。
そして残りの数が割る数の12の桁数を下回ったところで割り算は終わり、残った数3を余りという
ふむふむ
そして次はこの考え方をそのまま使って整式の割り算(X²+5X+9)÷(X+2)を行うようです。
(X+2)に何かを掛けたものを引いていき次数の高い項から順に消していくのである。
そして残りの式が割る側のX+2を下回ったところで割り算は終わり。
(X²+5X+9)を(X+2)で割ると、商がX+3、余りが3である。
さらに整数の割り算のときに
159÷12=13・・・3→159=12×13+3
と書けるように整式の割り算の場合も
(X²+5X+9)÷(X+2)=(X+3)・・・3→X²+5X+9=(X+2)(X+3)+3
Xについての整式AをXについての整式Bで割ったときの商をQ、余りをRとすると
A=BQ+R 但し、(Rの次数)<(Bの次数)
ここで気付こう。「R=0なら、因数分解じゃないか!」その通りである。
はい!その通りです先生!!
で・・・青春はどこ?
これままずい・・・これでは青春をオロオロして終えてしまう・・・
整数の割り算が桁数の高い数字から消していくという演算である。
それは正に青春の世代交代劇である。
高校では高学年から順に青春の舞台から消えてゆく。
その順序が変わることは決して有り得ない。
なるほど!
少し青春についてわかってきた気がします!!
どうやら数学を現実世界とシンクロさせていくようです。
次はグラフの変形について書かれています。
ここではなんと数学にヤクザが登場しています。
グラフの伸縮をマスターすればヤクザも縮み上がってしまうそうです。
数学にヤクザというワードを入れることにより他の参考書よりもインパクトがありものすごく記憶に残ると感じました。
序文にも書かれていましたが数学は面白い、楽しい、美しいだとか主観的なことを言ったところで響かない者には響かない。
確かにここが面白いだとか楽しいと言われたところで響かない者には届かず
興味を示してもらえずに終わってします。
その点方手雅塚先生のアプローチの仕方であれば青春という数学とかけ離れたことばにまず興味を惹かれ思わず手に取って読んでしまいそうです。
この独特の表現を使い興味を惹き、また記憶に残るインパクトもあり
西川裕章氏のことば通り信じられない光景を目の当たりにしました!
今回紹介したのは「青春の高校数学②」ですが②とついているのでお気付きの方もいらっしゃると思いますが他にも①や③があります。
すでに高校生ではありせんが青春を力の限り謳歌すために他の青春の高校数学も読んでみたい、そんなこと思わせる衝撃の1冊でした。
皆様もぜひ本書を読んで青春を謳歌してください!
それでは次回の更新までごきげんよう
この記事へのコメントはありません。