本日、紹介させていただく参考書は、
「駸々堂出版」の「幾何定理35で解く受験数学 1993 松下巌」です。
著者は灘高の教師でもありました松下巌先生です。
苦手な人が多い数学の「幾何」で、直感力や分析力を身に着けさせ、パターン化された考え方からの脱出を狙って執筆されています。
内容はタイトルの通り、「35の定理」と入試に役に立つ51の例題が掲載されており、
三角形から始まり、球まで一通り揃っています。
幾何的な考え方をすることによって解答まで遠回りすることもありますが、一つの考え方として知識量を増やすことができるようになります。
松下巌先生が教鞭を執られていました灘高ですが、1927年に庫県神戸市灘区に設立されました。
中高一貫校として有名な灘高は、1学年が開成高校約400人と比べて半分の約200人ほどしかおらず、かなり狭き門になっています。
また、中学3年生の時点で東大入試の問題が出されることもあり、レベルの高さが伺えます。
厳しいイメージがありますが、校風は至って普通のようで服装やカバンなど全て自由です。
しかし、ひとたび勉強モードになると皆一斉に集中して始め、緩みません。
こういうところが名門たる所以なのでしょう。
灘高では幾何を1年かけて勉強するそうです。
ひたすら特訓して考える力をつけるために行われているようですが、幾何の考え方がとても重要であると教えてくれています。
松下巌先生の関連書籍ですが、大学受験用の参考書は1冊しか出版されていないようです。
当ブログでもこれまでに「山本矩一郎の幾何図解小事典」「科学新興社 ステレオグラフ 幾何」「駿台文庫 東大京大受験必修 数学の図形問題演習」「進学研究社河合塾 図形問題のすべて」「科学新興社 わかる空間図形 傾向・演習」など幾何・図形に関する絶版参考書を紹介してきましたが、
絶版状態になった幾何や図形と銘打つ参考書は相場がかなり高くなる傾向があり、幾何が苦手な人が多いのがよくわかりますね。
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