桐原書店 大学受験スーパーゼミ 古文解読の新技術 土屋博映編著 1993年発行

本日も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。

今回、紹介させていただく1冊は、1993年発行の比較的古い書籍となり、古文では実戦的・応用的な読解方法で構成されている注目の1冊です。
そして、受験生に本書により大いなる一歩を踏み出してほしいと著者の願いを込めた一冊です。

『桐原書店 大学受験スーパーゼミ 古文解読の新技術 土屋博映編著 1993年発行』

こちらの書籍では、

単語や文法の実戦的な知識、文学史や古文の背景といった常識をもとに応用的な読解の方法など、実力アップのための50のテーマを設定。一題一テーマに絞って徹底解説した参考書です。

本書の特徴といたしまして

  1. 設問をたった一つに絞った解説
  2. 入試に頻出する例題を使用し、頻出古文問題に慣れることだ出来る。
  3. 50の例題を異なった角度から学習することにより、より深く学習出来る。

著者は、代ゼミの講師で有名な「土屋博映」先生となり、先に土屋先生プロフィールを紹介させていただきます。



土屋博映先生は、
東京教育大学大学院文学研究科卒業
卒業後は、跡見学園女子大学で教鞭を執りながら、国文学者として日本文学を日々研究されておられました。
その後は、代々木ゼミナールでも古文を教えておられ、愛称「つっちー」として生徒からは親しまれております。
大学教授を務めながら、NHKラジオ講座やテレビ講座で長年講師を務められております。
1985年からは参考書も執筆され、30冊以上の著書を発行されております。「古文222シリーズ」や「土屋の古文講義シリーズ」で勉強された方も多いかと思います。

土屋の古文講義

土屋の古文講義

以前にも土屋博映先生の著書を紹介させていただいておりますので、ご参照くださいませ。


今回はそんな著書の中から『桐原書店 大学受験スーパーゼミ 古文解読の新技術』を紹介させて頂きます。

それでは、本書を目次から見ていきたいと思います。

目次1-12

目次1-12

目次13-32

目次13-32

目次33-50

目次33-50

目次を見させていただきますと、ちょうど50の項目があり、

前半は表現についての問題、
中盤は助動詞の活用についての問題
後半は日本での代表的な文学書物を取り上げての問題

となております。
基本的には項目1から進めていく必要もなく興味のある項目から進めていただいて大丈夫です。

気になる項目はございますでしょうか。項目6の「人物の重要度をはかれ!」などは気になりませんか。
こういう項目でタイトルに「!」ビックリマークがついているのは重要なのが多いように思うのは私だけでしょうか。
ただ今回、当方が気になったのはこのの項目ではなく、

「空欄は前後から (前か後ろに必ず根拠がある)」を見させていただきました。
空欄問題となりますと、ほとんどの入試問題に必ずありそうな感ですが、古文の空欄問題の読解となれば少々難しい。
なんせ、一度訳を理解してから解くことになりますから。

例題

例題

こちらは、実際に使用された入試問題での1問となり後深草院二の「とはずがたり」から設問が採用されています。
この設問のテーマは、「空欄の読解は前後から」ということで解説がありますが、まずはやはり自力です。
問題を読み、文章を理解することが肝心ですが、本書には全ての問題に口語訳が記載されているのはありがたいです。
設問には赤字で予備知識が記載されているのも、ありがたいです。この微妙な表現が現代人にはわかりにくいものです。
入試では書かれていないので、このあたりも要チェックです。

口語訳

口語訳

頻出古文に慣れるという利点もあり、その口語訳を読むだけでも力が付くように思われます。

解法

解法

解法では、要点がズバッと書かれています。

「空欄は、簡単なものをすばやく解答し、難しいものはじっくり考えよ」

基本的には全体の流れを読み、作者の心情をおさえながら、空欄前後の語句により解読する。
古文の場合は、もちろん活用させることも忘れてはいけないとなっております。

演習

演習

そして、それぞれの項目には全て演習問題がありますので、実は例題50問と演習50問で合計100問が収録されております。

解法一覧

解法一覧

さらに、以外と便利なのがこの解法一覧なんです。
各項目の要点を一覧で確認できるようにしてくれておりますので、学習する前後に読み返すと理解が深まります。

こちらの参考書は、25年以上も前に書かれた本なのですが、元々は「古文読解の技術100(下)」というタイトルだった本で、(上)巻は「古文読解の基礎技術」というタイトルで改題されております。
どちらも土屋博映先生が絶頂期に発売された参考書となり、文法毎のまとめではなくて、読解のテクニックについて広範囲でまとめたもので土屋師の参考書の中でもよい内容の参考書です。
例題と演習問題を併せて完結しているのは1日あたりの分量としては適切で、2ヶ月真剣に取り組めば成果がでる参考書とされおります。

最後になりますが、今回も、本書を利用された熱心な方のコメントがありましたので、少し紹介させていただきます

古文読解の基礎技術と合わせて使えばどこの難関大学の問題にも対応できます。土屋の古文の名著の中の名著です。

内容はすごくいいけど、量がすごい。
何回も繰り返せる時間があるならこれと古文読解の基礎技術を何回も繰り返せば無敵になる。
時間無い人は土屋の古文講義へ。

 

本書の特徴をまとめさせていただきますと

・文章がやさしく、くわしく説明してあるので古文の読解と基礎の考えが身に付く。
・文学史の知識を活用した応用的な読解が可能である。
・必要な予備知識が例題の文中に記載されているので、基礎参考書としてはの十分です。

今回は土屋博映先生の『大学受験スーパーゼミ 古文解読の新技術』を紹介させていただきました。
紹介させて頂いたのはわずか1項目のみの内容ですが、他の項目や例題にも先生のこだわりの考え方が掲載されておりますので、是非お手に取っていただきたい書籍です。

これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。

次回更新もどうぞお楽しみに!

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