今回は「入試の軌跡-京大-黒木正憲」のご紹介です。
著者は黒木正憲先生です。
黒木先生と言えば大学への数学シリーズで有名な東京出版の創業者でもあります。
また、大学への数学は当サイトでも度々紹介している山本矩一郎先生が編集長を務めていたことでも有名ですね。
1957年6月より現在に至るまで約60年に渡り刊行を続けているこの大学への数学シリーズ、翌1958年には最初の増刊号となる新作問題演習が刊行されました。
その大学への数学の増刊号のうちのひとつ入試の軌跡、こちらのシリーズは現在4種類出版されています。
「東大」「京大」「センター試験」「私大医学部」ですね。
過去には「阪大・阪府大」「東工大・理科大」「早大・慶大」、
以上3種類も出版されておりましたが、惜しくも2007年で廃刊となってしまいました。
入試の軌跡が企画されたのは、
「大学ごとの数年間の入試問題を当時のまま並べてみたら今までにないユニークなものが出来上がるのではないか」
という考えの元に製作されたと言われています。
その内容はというと過去10年分のセンター試験の問題に洗練された解答と寸評が当時のまま掲載されています。
まさに10年間の入試の軌跡というわけです。
さらに10年の総括として出題分野と難易度が表にまとめられています。
そして個人的に一番参考になると思うのが受験生による受験報告。
実際に受験生達が苦しんだ体験談が掲載されており、
こちらに目を通すことで本番でどういう心理状態になったのか。
どういった失敗をしてしまった等の先輩達の経験を知ることにより、
自分がいざ本番をむかえた時に非常に役に立つように感じました。
参考書といえばその分野の知識を深めたり、
自身のスキルアップの為に利用することが多い中、
このような心理状態や先人達の経験を体験できるオンリーワンな情報が掲載されているのがこのシリーズ人気の秘密なのではないでしょうか。
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