本日も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。
今回、紹介させていただく1冊は、1990年発行の比較的古い書籍となり、英語での動詞の重要性と多義性を伝える注目の1冊です。
そして、受験生に本書により「あれも、これもより一転突破」を伝えたいという著者の願いを込めた一冊です。
『河合出版 芦川の英語基礎貫徹ゼミ 多義動詞 芦川真一著 1990年発行』
英語学習には、さまざまな要素が複雑にもつれ合い構成されております。
こちらの書籍では、「多義動詞」と書かれているように、基本的な動詞の多義性と用法にこだわり構成されております。
著者も、しばらくはこの参考書で、動詞の世界に切り込んでいただきたいと記載されております。
著者は、河合塾で選任講師を務められた「芦川真一」先生となり、先に芦川先生プロフィールを紹介させていただきます。
芦川真一先生は
東京外国語大学(仏語)卒業後、マヤコフスキイ学院でロシア語を学ぶ。
東京大学でドストエフスキイにおけるキリスト教思想を研究。
津田塾大学で比較文学を担当し、代々木ゼミナールで教壇に立たれました。
その後、1987年より河合塾専任講師として指導をしておらてました。
生徒がよい答えを出すとコーヒーをおごるというクセがあるとされており、当時の生徒より親しまれていました。
著書には「芦川の基礎貫徹英文解釈」などの参考書以外にも、「『罪と罰』における復活―ドストエフスキイと聖書」などの
ドストエフスキイに関する書籍も出版されており、このあたりからもドストエフスキイの研究の一人者であることがわかります。
今回はそんなたくさんの著書の中から
「河合出版 芦川の英語基礎貫徹ゼミ 多義動詞」を紹介させていただきます。
それでは、本書を目次から見ていきたいと思います。
目次はいたってシンプルな構成となっております。
PARTⅠ~PARTⅣまでの構成となり、シンプル過ぎるので各章を少し紹介させていただきます。
PARTⅠ・・・
基本となる19の最重要多義動詞を取り上げおります。(be、bearなど)
PARTⅡ・・・
PARTⅠに次ぐ重要要多義動詞として55の動詞を取り上げ。(act、agreeなど)
PARTⅢ・・・
頻出ではないが、頑張って覚えてほしいという139の動詞を取り上げ。
PARTⅣ・・・
動詞を理解するための自動詞と他動詞の区別。
「5文型の理解」とその「5文型に沿った動詞の整理」
文と文の結合を示す「節」や「複文」、日本人が苦手とする「分詞」を説明。
多義動詞に焦点をしぼった本書ですが、こちらの「芦川の英語基礎貫徹ゼミ 多義動詞」はどのようなものか
早速内容を見させていただきます。
各多義動詞には、指針という各動詞を貫くイメージが記載されております。
紹介させていただく「be」では、beの説明と合わせて「多くの人の盲点の動詞として、正面から一度はぶつかっておくこと。」と記載されております。
指針を理解してから、設問に取り組み、再度指針に戻ることで、理解が深まると思います。
設問にも特徴があり、上記の1⃣と2⃣を見て頂いて気づきましたでしょうか。
(和訳)と(英作文)のセットでの設問形式となり、補い合う構成なんです。
和訳と英作文を繰り返して学習することにより、動詞の基本をマスターして頂いてたいとされております。
問題の解答は若干、省略されている(部分的な訳)になっている感じです。
ただ、ポイントは記載されておりますので、ご安心くだだい。わからない部分は自分で辞書を引くのが良いかと思います。
be動詞に関して本書でこんなことを書かれております。
芦川真一先生が英語を勉強するきっかけとなって言葉で、恩師の小出次雄先生の言葉だそうです。
——————-
君たち、be動詞には「我、在り」という”存在のbe動詞”と「我は~なり」という
”説明のbe動詞”があるんだよ。前者が哲学の「存在論」、後者が「認識論」に対する
ーbe動詞は、人間の最も根本的な二つの相を担っているんだよ。
——————-
なんだか、難しい話です。
しかし、芦川真一先生はbe動詞の持つ多義性への好奇心から、興味をもたれて英語に携わるきっかけとなった言葉ですので、今回は紹介させていただきました。
今回も、本書を利用された熱心な方のコメントがありましたので、少し紹介させていただきます。
著者の芦川先生の河合塾での授業は、受験英語でありながら、同時に学問を志す者であれば必要な知識、思考力を授けてくれます。本質をごまかさずに説明してくれています。
レイアウト(特に冒頭の語彙編)などは現在出版されている参考書の方が見やすく使いやすいかもしれませんが、人文系の学問を学びたい受験生には、是非この参考書でエッセンスの部分を熟読して頂きたいです。動詞、多義語、副詞、前置詞は必読です。
本書の特徴をまとめさせていただきますと
・動詞の多義性と用法にだけにこだわった構成となります。
・各設問には動詞の特徴が印象づけられるように、工夫されている。
・自動詞と他動詞へのアプローチと、動詞と結合する副詞へのアプローチ。
本書を見させていただいて、動詞への基礎力を付けたい方に適していると思います。各動詞の基本的なイメージを動詞の個性として、イラストを活用しながら指針にふれ、勉強して頂きたいです。
本書を見る限りでは、入門書的な参考書ではありませんので毎日の学校や予備校で登場した重要な動詞の中から、これと思うもの1つ2つに焦点を絞って本書と突き合わせ、その意味と用法を身につけて行くことが重要です。
「動詞の奥行」を理解することが重要とされております。
今回は芦川真一先生の『河合出版 芦川の英語基礎貫徹ゼミ 多義動詞』を紹介させていただきました。
紹介させて頂いたのはわずか「be」の1項目のみですが、他の項目にも先生のこだわりの動詞が掲載されておりますので、是非お手に取っていただきたい書籍です。
これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。
次回更新もどうぞお楽しみに!
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