今回は「駿台文庫 大学へのスーパー物理 現代の物理学ー力学編ー 坂間勇」(2000年発行)の紹介です。
著者は駿台で講師もされていた坂間勇先生です。
坂間勇先生は特徴的な髪型に白衣姿がトレードマークのユーモラスな講師でした。
その独特の感性でオリジナリティ溢れる名言があります。
例えば「自然定数は神の定めた数だから、宇宙人に会ったら聞いてみな。
同じ値を応えるはずだから。あいつらが10進数を使っていればな。」
宇宙人が10進数を使っているかどうかはわからないけれど
坂間勇先生の中では宇宙人も自然定数を使っているようです。
また東大に受かるにはどうすればいいか質問した際には
「試験を受けて答えを書いてくればいい」と答えたそうです。
たしかにその通りなんですが・・・
そして分からないところを質問する時にも
自分でしっかり考えた跡を見せないと追い返されることもあったようです。
質問に行ったのに追い返される
これだけ聞くととんでもない講師と思われるかもしれませんが
それには理由があるのです。
坂間勇先生の授業方針は
まず予習の段階で予め問題の設定を正確に理解してくる。
次に授業の間に講師の提示する最高の方法をしっかり自分の頭に入れておく。
そして復習の際に自分でもそれを再現できるようにすべきである。
それでもわからないところがあれば聞きにいく。
それをせずに質問に来た生徒は追い返されることもあったようです。
自分でできることを全てやって
それでもわからないことがあれば聞きに来なさいということですね。
東大に受かるには試験を受けて答えを書いてくればいいと答えたのも
こういったことが背景にあるのかもしれません。
少し見づらいかもしれませんが、参考書の裏表紙下部に「上級レベル」と書いてあり、かなり難しい問題が勢揃いしています。
授業・参考書共にレベルの高いものが要求されます。
独特の授業方針のため非常に難易度が高く受け手を選ぶ授業ではありますが
それでも受講した生徒から不満が聞かれなかったのは
授業内容が物理の本質を捉えてあることに加え
坂間勇先生の独特の世界感があったからではないかと思います。
駿台文庫(駿台受験叢書)の紹介も今回で4回目です。
過去の紹介ページもご覧ください。
この記事へのコメントはありません。