- 単行本: 452ページ
- 出版社: 河合出版 (1992/07)
- ISBN-13: 978-4879990815
- 発売日: 1992/07
今から25年前に発行されています。
以前に紹介いたしました「河合出版 理系数学の原点 vol.3 1998」からも6年前に発行されています。参考までにリンクも貼り付けいたします。
詳しい経歴紹介等については、前回ブログに譲るといたしまして諸橋先生のお写真も掲載させていただきます。
もちろん、今回紹介させていただく著書掲載のものですので1992年付近のものだと思われます。
それでは、いよいよ本書の内容へ移ります。
ここでも登場いたしますね。「自分の証明したことのない公式は使うな!!」
これは、意外なチェックで、まず「自分に何が欠落しているか」がハッキリわかる。そして「その証明」を確認することで「なぜその公式が必要か」を考えるようになり、「その公式の諸問題」が「見える」ようになる。
とあり、「計算」や「証明」は、氷山の一角にすぎず、説得力のある答案を書けるようになるためには「表面下にたくわえられた力」に大きく依存するもののように思われる。と述べられています。
前回ブログでも数学が苦手な人には難解な指導でも、理由の解説を確認すると納得できますね。
ここで、以前にも紹介したイマイチの人全員集合!より9月に突入する際の予習の仕方について、レクチャーされていましたのでご紹介しておきます。
「最初にお断りしておきますが、参考書の紹介としては少し残念な記述がございますが、先生のご意見ですので原文のまま引用させていただくます。」
実力をつけるには予備校のテキストがよい.なにせ「答」がついていない.そこがよいのだ.はじめから終わりまで君が責任を取らねばならないからだ.
まず大学ノートを用意して、1題あたり1ページを割く.足りないところはレポート用紙に書いて貼り付ければ良い.そこで1題ごと、その内容をシッカリ読んで、その概要をつかんでから解答に取り掛かる.このとき決して「ナマ」であってはならない.具体的には以下に説明する.
★ 解けた問題の扱い
これらには「バツ印 」をつけてこれはもう 「一生見ない」 ことにする.
そこまでキッチリとツメておかなければならない.これは授業のときにやる.2学期は1学期とちがってノンキに復習などをする時間がないから、ここで復習も同時にやってしまう.
★ 解けない問題をどうするか.
少なくとも1時間くらいは自分で悪戦苦闘をしてみる.そうすると、その問題の構造や本質が見えてくる.時には「こんな計算、やるのかよ」と思うときもあるだろう.
そういう時でも「やりぬく」のです.それが現在ただいまの君の実力だから仕方がない.
いよいよダメなら、これに「マル印 」をつけて残す.この日は次の問題にかかる.
このとき、安易に解答を見たり他人に訊いたりしてはならない.それをやれば何もかも「ああそうか」で終わってしまい、「実力をつける」という目標が空回りしてしまう.
その1時間で「見えない」ときはその日は棚上げにする.そして、次の日も1時間だけ本気で戦うのだ.次の日も、また次の日も.そういうことを続けていると、君はその問題と特別な関係になる.ここからが「本当の勝負」なのです.そういうことに慣れてほしいのです.
実際、答案というものはなかなかウマクは書けない.2回書いても同じに書けるものでもない.論理構成、やその展開が相手にストレートに伝わるにはそれなりの説得力が求められるが、そうなるにはかなりの訓練をしなければならない.理想的には何回も書き直しても同じになるくらいのレベルを目指して精進するしかない.
そして、それはどの科目にも要求されることであり、実際に仕事の現場でも求められる基本的な能力ではないかと思うのです.頑張れよ.辛い思いをした分だけ君の人生は太く豊かになる.この爺さんが言うのだから間違いはない、
とても、参考になるご意見だと思いましたので紹介させていただきました。それでは、本著の紹介に戻ります。
目次から









さてここで、最後に試験に向けて諸橋先生のブログから励ましのお言葉を紹介させていただき、結びの言葉としたいと思います。
センターはどうやら越えられたかな.
いろいろあったでしょう.でも顔をあげてまっすぐ前を見ること!
うまくいった人はそれで良い.まっすぐに進みなさい.
昔、こんなことがありました.
ある医学部を目指した受験生がセンター試験で600点そこそこしか取れなかった.しかし、本人は「金沢大の医学部」に出願するという.
周りの友人たちも教師も気が気ではない.みんなこぞって「目標を下げろ」という.しかし、本人はガンとして受け付けない.
とにかく初期の目標の通りに「金沢大の医学部」に2次の願書を出した.
これがみごとに合格したのです.だから試験はやってみなければわからない.人生はそんな一面があります.だから面白い.
ありのままの君を叩き出せば良い.「俺をとらないような大学に行くものか」くらいの気合を入れて進んでください.
君の前に道はない.君の後に道はできるのです.
健闘を!
とても勇気の湧いてくる、メッセージだと思いました。
次回も良著を頑張って発掘して参ります。どうぞお楽しみに!
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