今回ご紹介する参考書は、田村秀行先生の『代々木ゼミ方式 田村の現代文講義3』です。
出版社 : 代々木ライブラリー
発売日 : 1985/7/1
単行本 : 144ページ
本書は、過去出題された難関大入試問題を分かりやすく解説しています。
大学入試では客観的に書くことが求められます。そして解答する際に重要なのは、解答の表現ではなく、解答となる「ポイント」があっていることです。「答え」となる箇所が分かっていたとしても、綺麗な文章で記述していたとしても、ポイントとなる言葉や理由が含まれていなければ、点数は取れません。
では誰でも点を取ることができるために、本書の写真を交えてみていきましょう。
まず本書では、記述式問題の性質に触れています。
一般的に記述式問題は選択式問題よりも難しいと思われがちです。しかしそうではありません。
得点の場面でも、とてもメリットのある問題です。なぜなら、選択式問題では点数は0か100かで、さらに選択肢の各内容は全て間違っている文章ではないので、どれが正解であるのかがわかりづらいです。また、内容的には合っている選択肢もあり、なぜその選択肢が正解ではないのかというと、ズバリ「ポイント」となるワードが入っていないからです。その逆、記述式問題では部分点がつきます。満点の解答ではポイント3つをおさえて記述しなければならない場合であっても、1つあっていれば、点数はつきます。
なんとなく記述問題は難しいからおざなりにしている方も、解答欄を埋めてみようかなと思っていただけたでしょうか?

まずは書く力が必要です。日常的に反復練習をして、知識を蓄えます。
本書では、 ①記述問題の性質
②解き方(基本、コツ・工夫)
③実際に入試で出題された問題、解説
が載っています。

②記述のコツ

②解き方
解き方について多く書かれていますが、5つほどご紹介します。
○記述問題において「具体的」とは、一段階わかり易くすることで、本当の具体性を求めてはいない。
〇記述問題では、筆者の考え方に沿っている限りにおいて、違う言い方やより深い言い方が必要な場合もある。
〇突然に結論のような形ででてきた事柄は、その本の主題であり、設問とも深くかかわってくる。
〇答が長くなるときには、文を分け、対比は分かり易く、重要な語は繰り返し用いるようにすること。
〇著者についての知識があれば、それだけ読解が楽になり、それを記述解に生かすこともできる。
掲載されている問題は文章も短く、短時間でも読み込めるのが良い点だと思いました。
この1冊を反復して、問題に触れ、理解することで、大学入試を受験される方にとって大きな力になると思います。
田村先生の著書はこの『代々木ゼミ方式 田村の現代文講義3』の他に、『代々木ゼミ方式 田村の現代文講義』の第1、2、4、5巻、『田村のやさしく語る現代文』『田村のやさしく語る小論文』、『田村のマーク式現代文』等があり、今回ご紹介した著書の新版(1995年発行)も出版されています。
過去、本ブログでも田村先生の他著書が紹介されています。ご興味をお持ちいただけましたら、こちらもご参照ください。
現代文が苦手な方は本書シリーズの第1巻、苦手としているジャンル(小説、随筆等)があればその内容に合わせて、手に取っていただければ幸いです。
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