今回は「科学新興社 モノグラフ新書14演習最大・最終問題’79」の紹介です。
モノグラフシリーズは過去にも2度紹介させていただきました。
「矢野健太郎」先生、「江原誠」先生に続いて、今回は「青木一英」先生のモノグラフです。
このモノグラフシリーズは教科書や普通の参考書では
説明不十分と思われるトピックを取り上げて
具体的に説明し応用を示すことを目的としています。
演習最大・最終問題では入試問題を中心とし
演習→解説→解答→研究→参考→trainingの流れで進み
基礎的事項の復習が徹底的にできるように作られています。
この本が発売された1979年に大学入試で実施された制度があります。
現在の大学入試センター試験の前身である大学共通第1次学力試験です。
一般的には「共通一次試験」・「共通一次」と呼ばれ、
1979年から1989年までの11年間、国公立大学および産業医科大学の
入学志望者を対象にした全国一斉の基礎学力試験です。
1986年までの8年は合計1000点満点として
国語、数学、理科、社会、英語の5教科7科目(理科2科目社会2科目選択制)です。
「共通一次試験」の結果を基に全国の国公立大学および産業医科大学の中から
1校のみ(1学科のみ)を志願して2次試験を1回だけ受験することができる
という制度でした。
1987年からの3年は合計800点満点として
国語、数学、理科、社会、英語の5教科5科目(理科1科目社会1科目選択制)です。
「共通一次試験」の結果を基に、2次試験の日程別にグループ分けされた
全国の国公立大学および産業医科大学の中から最大3校(3学科)を志願して2次試験を最大3回受験することができる
という制度となっていました。
また、この3年間は毎年のように試験制度が変更されており
「猫の目入試」と呼ばれていました。
しかしこの制度は実施前から失敗が予想されており
各方面から痛烈に批判を受けた為後半の3年間で改革がなされ
1990年からは「大学入試センター試験」改称し現在に至るというわけです。
今では当たり前のように行われている大学入試センター試験も
試行錯誤の末に出来上がっていました。
現在、大学入試改革として、2020年にセンター試験廃止、「高等学校基礎学力テスト」と「大学入学希望者学力評価テスト」の実施が予定されています。
いわゆる「教育の2020年問題」といわれていますが、この改革も一筋縄ではいかなそうです。
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