今回は「増進会 代数幾何微分積分のトレーニング ’90」のご紹介です。
著者は土師政雄先生と藤田進平先生のお二方です。
まずはじめに受験数学というものがあると書かれています。
では受験数学とは一体なんなのでしょうか
この本の著者もおっしゃられていますが、ただ解法を暗記するような勉強は受験勉強のやり方としては効率的ではないということです。
つまり解法を覚えるという以外の受験勉強のやり方が受験数学には存在するのですね。
「数学にはこれだけを暗記すれば合格間違いなし」というものは存在せず、数学を正しく理解する必要があります。
その方法のひとつにこの本に書かれている内容でヒントになるものがありました。
「あそこだけは全部熱心に読んだ」という意見について、ここだけというのは困るをあります。
内容の一部だけでなくそのテーマの全体像をつかむことが理解に役立つのですね。
土師政雄先生に関しては過去にも紹介させていただきましたが、
「受験生が点を取るためだけに勉強をしている」と嘆かれていました。
そのため本書では、入試の範囲に拘らないより発展的な体系を目指して取り組まれている、挑戦的な内容となっています。
公式を暗記するだけではなく、全体の流れや意味を理解することが大切なのだと教えてくれる1冊でした。
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