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初めてお越しくださった方、初めまして。
本日は「教育社 難問題の系統とその解き方 1976 服部嗣雄」を紹介させていただきます。
最後までおつきあいいただけましたら幸いです。
当参考書は、難問題の系統とその解き方物理のシリーズ4として発刊されましたが、シリーズで唯一、現在までの30年以上にわたり4回の版を重ね、「難問題の系統とその解き方物理Ⅰ・Ⅱ」「新課程版」「新装版」と脈々と続いております。
東京大学、京都大学、慶応大学、早稲田大学などの難関大学の受験指南書として、先輩や講師から薦められたとの声も多い今著。
書名を略し「難系物理」「難系」と呼ばれています。
次に内容の紹介へ移ります。はしがきから画像をご覧下さい。
80%以上の点数を確保したい。その希望に対して、それだけの努力をしうる諸君の手助けとなるように意図されていると明記されています。
しかし、書評を見ると
「かなり人を選ぶ本であり、使いこなせる人はあまり多くない。」
「解答解説が圧倒的に言葉足らず。」
「公式などは厳密には大学で学ぶ微積による定義式を前面に押し出した形になっている。」
この部分が、人を選ぶという表現になろうかと思います。つまり、演習が足りてない人や物理の定義式(公式)を根本からしっかり理解していない人、公式暗記でこれまで物理をやってきた人にとっては解説がなかなか理解できない。解説を理解するにも一定以上の力が必要だということです。
攻略方法を解説したサイトでは、公式の確実な習得と、公式間の関係を柔軟に解き明かす力が必要であると説いています。
つまり、問題に向かった時に必要な公式が直ちに浮かばないようでは克服できない。公式間で変形可能なものはスラスラと変形できるように充分習熟しておくことが必要ということのようです。
著者の服部先生は、実際の講義でも東大、京大などの難問を「こんな問題が解けなかったらアホですよ。」と言いながらバッサバッサと論旨明快な解説を行い、受講者が自分が賢くなったような錯覚さえ覚えるような感覚を与えたそうです。
解説を一通り行い、思考過程と立式過程を示した後は、数式を解いた解答のみを簡潔にしめしたそうです。それこそは、服部先生のスタイルであり、今著はそれを再現しているのだと思います。
さて、ここで今著を支持する人の言葉を紹介したいと思います。
「最初のころは、重たい問題ばかりと感じるのではないでしょうか?
その感覚を味わえるのは、この問題集だけです。
そう感じながら問題をこなしていくうちに、
自分のレベルがいつの間にか上がっていく良書です。」
「この例題をこなせば、どこの大学でも立ち向かう気持ちになれるレベルになると思います。ごく一部、解説が不親切な部分があり、そこを自分で補完できるかは重要です。」
いかがでしょうか?
「質が高く内容の濃い良問を選んで解く」著者のはしがきにも記されているポリシーが使用している方にも伝わっていますね。
何かを得意になろうとするとき、大差はあれ必ず壁にぶつかります。それを乗り越えた先に本質の理解があると今著に触れ、同じく触れた皆さまのご意見に触れ、強く感じました。
最後までおつきあいありがとうございました!
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