本日紹介するのは石谷茂著の数学の盲点とその解明シリーズの一つ「MaxとMinに泣く」になります。それも初版です。
本作は数学の盲点とその解放シリーズ全4作の第3作目になります。
著者は石谷茂先生です。
昭和期の数学者で、嘉悦女子短期大学で教授をされていました。
高校や大学での数学指導というのは経験的事実をもとに発展的に積み重ねる方式であって、論理体系にみだれがあります。ですから当然、ある事柄の真偽の判断、価値の評価は多様化し単純に結論を導けない事があります。それが盲点です。
盲点に泣くのは学生だけではありません。教える側も同様です。
誤りの中にはついウッカリの誤りもあれば、誰しもが起こしてしまうような誤りもあります。後者の方は数学の基礎的なところに多く、また本質へも繋がっている事があります。
そういった盲点を集め解明を試みているのが本作のシリーズになります。
「経験にさおされば流され、論理を通せば落後者が出る。とにかく数学は教えにくい」となってしまう。それを解消する為には、経験を積み重ねた後、適当なチャンスに論理によって整理する事である。盲点解明もその一つとなるでしょう。
と本著では説かれています。
シリーズ通してのターゲットは数学好きの大学生以上のような気がします。
高校生には難しい内容かと思います。
しかし数学が好きな方や数学の先生であれば読んでおいて損はないでしょう。
このシリーズには他に「ε-δに泣く」「∀と∃に泣く」「DimとRankに泣く」の3作があります。
一度は絶版になっていたようですが2006年頃に復刻されており復刻版は表紙が変更されています。
復刻版は購入しやすくなっていますので「数学の盲点を解明したい!」というかたはコンプリートしてみてはいかがでしょうか?
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