
今回は、大学受験スーパーゼミ⑦ 古文読解の技術100(上下巻)土屋博映先生著を紹介させていただきます。
上巻表紙には「文章構成、語句、文法をベースにした読解の基本を講義」、下巻には「語句、文法に加え、文学史の知識を活用した応用的な読解を講義」としめされています。
はじめに

本書は、設問をたった一つのテーマに絞っていて、実際の入試問題で考えながら、一気にマスターし、実感し、身につけてしまおうというものです。
そのこころは、有名大学で出題され有名作品にしてあるので、テーマをみにつけると共に、頻出古文に慣れるという利点があると紹介されています。
<利用方法>
①例題のテーマをみつめ
②問題文を読み
③一応の解答をし
④口語訳を読み
⑤解答を考えなおし
⑥解答を味わう
文法毎のまとめではなくて、読解のテクニックについて網羅的にまとめたものになっていて、土屋先生の参考書群の中では唯一と言って良い内容になっています。
結構骨っぽい学校の過去問もり、例題と演習問題を併せて、1日あたりの分量としては適切で、2ヶ月みっちり取り組めばそれなりの見返りがある参考書になっています。
<目次>

さて、解法の最初は、問題文を見つめて、ヒントを探しましょう!です。
下にある「口語訳」を読んで見るとそのヒントが見つけやすくなるとわかりますね。
落ち着いて(問題文を見つめる)ことが大事なようです。

根拠がなくては、入試問題は作れないから、理由問題は文中に根拠がある。古文は古代人の現代語だったわけですから、歴史的な仮名づかいに注意して、知らない言葉は類推して考えれば、ヒントが見えてくるわけですね。
<理由問題は文中に根拠>

<ヒント無くして設問はつくれない>
落ち着いて(考えれば、いろんなことが見えてくる)

<ヒント>
演習問題には、著者からのヒントがあります。
落ち着いて(問題文を見つめてほしい)、とここでも、落ち着いて考えるように記されているということは、外国語ではないし、読むことが出来れば、答えに近づくことが出来ると言っているように思います。

<解答>
演習問題の答えに「口語訳」があるのは、やはり古文の勉強方法に、音読が有効だと示されているように思います。

<著者>

国文学者、大学教授であり、まさにカリスマ予備校講師の概念そのものを作り上げた講師でもある。NHKテレビ講座、ラジオ講座の講師も長く務め、TBS『わくわく動物ランド』のレギュラー解答者をはじめ、当時は自身の名を冠したラジオ番組まであり、年収は当時の読売巨人軍江川投手さえ超えていた。著書は国文学の専門書から、小学館の古語辞典(編集委員)、参考書まであまりにも多数。有名な『土屋の古文222』シリーズのみでも累計販売200万 冊以上を売り上げる。


最後に…大河ドラマを見ていたら、西南戦争の回が紹介されていて、次の詩がテロップに出てきました。
雨はふるふる人馬は濡れる、越すにこされぬ田原坂
この、越されぬの「ぬ」は、越せないという否定形だとわかりますが…
じゃあ、風と共に去りぬ、って、去ったのか去らなかったのか、わっけわかんないなと思ったのでした。
この「ぬ」を正しく解釈させる問題は古文の問題としてはホームラン王のようなものらしいと検索してみて知りました。
否定なのか?完了?なのか…ってパッと読んでもわからないですが、最初にありますように、文面をよく見つめれば、理解出来るように思うのです。
古文は、ちょっと前まで(鴎外とか漱石の小説に多く)使われていた日本語であって、頭の中でリフレインしてみて、なんとなくしっくりくるか違和感があるかで判断すれば良いと書いてありました。
ということは、正しい文例を頭の中で思い浮かべるには、多少なりとも古文を読んでいないといけないのだが、そういう意味では少し音読してみるという勉強が結構有効なんだと思います。
それでは、次回の、ブログもお楽しみに…
この記事へのコメントはありません。