今回ご紹介させていただく参考書は、1985年(昭和60年)に発行された、
清水書院の「ジョギング30日間 日本史政治・外交史(国公立二次・私大用)」です。
出版社は、東京都千代田区に本社を置く、清水書院(Shimizu Shoin co.,Ltd)。1946年の創業以降、主に教科書及び教育関連の書籍の出版・販売を行っているほか、辞典などの発行も行っています。
ビジネスマンとしても、教養を深めるために歴史の勉強を、やり直すとするならば、今回ご紹介させていただく通史から、自身の知識の記憶を確認してみることをおすすめします。過去の政治や外交について、良く知っていると、教養があると思われるのは、30年前も今も変わらないように思います。今やネットで検索すれば、なんでもすぐに調べられますが、知識として持っていて語れることとは、随分と隔たりがあるように思います。
本書は「ひと通り日本史の学習をおえた受験生諸君が、1ヶ月を目安に短期的・集中的に学習し、大学入試突破をはかろうとする実戦的問題集です」「また、テーマ別学習の1つとして[政治・外交史]を通史的に整理した問題集です」とあります。
効果的な利用法も紹介されていて、ひととおり問題を解いてみると、合格点確保の実力がつくと同時に、弱点が発見されますので、教科書・資料集などで基礎知識を整理し、弱点の克服をはかってくださいとも。
調べてみましたら、受験サイトで教科書は、山川出版の「日本史A」、資料集は、「詳説日本史史料集」が紹介されていました。合わせて勉強しなおしたくなります。
本書は、4つの章に分かれていて、第1章原始・古代、第2章中世、第3章近世、第4章近代・現代となっていて、1日1項目を勉強すれば、30日で学べるように分けられています。(あっと言う間に勉強出来てしまいそうな気分になるから不思議です)
だからジョギングと名付けているのかもしれないですね。
政治史は主に歴史の根幹をなす出来事です。外交史も文字通り、日本と外国との間に起きた出来事です。これは政治史と重なる部分が多くあります。
平家の短い政権が誕生し、武家政治の始まりになる鎌倉幕府が成立しています。これが政治の出来事で、1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府と覚えようしたアレです。平家はどうして滅んだのか?そして源氏が征夷大将軍をして、どのような幕府を目指していたのか?そんな疑問を持てましたら、教科書や、史料集の出番になるのでしょう。
そして、最後に一問一答で、総仕上げを試みるようになっています。
日本史は、政治史を一通り学習した後に、それを踏まえながら外交史、文化史等を学習していくっていうのが定石だと言われています。(完璧に勉強出来そうな心持ちになってきます)。
最後に、本書が発行された昭和60年(1985年)の世相ですが…
日米貿易摩擦の深刻化を打破するため合意が結ばれました。(政治史の出来事です)
先進5カ国(G5)の蔵相・中央銀行総裁会議が、プラザホテルで開かれたので、プラザ合意と言われています。これによるドル安円高と低金利の金融政策からバブルへと突き進んで行きました。(現在と繋がった気がします)。
そして、いま世界は流動化しています。これまでわれわれ日本人は、国際政治をある意味ではあまり真剣に考えなくてもよい時代におりましたが、それが変わりつつあります。
保護主義色を強めているアメリカ、週末の繁華街にはたくさんの中国からの旅行者、拉致や核ミサイルに対してなど、日本はどのような態度を取るのか。抑制的であるべきか。強い態度で意見を言うべきか?
われわれ自らが世界秩序の変化を理解し、主体的に何らかの見解を示す必要があるようになっている今を、もう一度過去から勉強し直してみたいものです。
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