さて今回は、駿台文庫 大学入試必修物理(上・下)駿台受験叢書 坂間勇(著)谷藤祐・山本義隆(共著)をご紹介いたします。
このブログでも3度目の登場の表紙デザイン。違う本ですので、どうぞこの先もお読みください(笑)
ちなみに過去2回はこんな本でした。
では、はじめましょう!
良著の表紙、帯、まえがきには、その本の特徴を表すコメントが寄せられていて、ぐっと興味をそそられることが多いです。今著においても・・・
・高校教程を学習してみたものの、よく分からなかった。
・入門書として、いろんなことが書いてある分厚い書物ではなく、基礎的なことだけを丁寧に書いてある小冊子が望ましい。
・「基礎的」とは「初歩的」を意味しない
この部分に興味をかき立てられて読み進めることになりました。
そして、この著書のことを調べるうちに素晴らしい書評に出会いましたので、引用させていただくと・・・
「高校物理の教科書は、いまひとつ原理原則的なことから避けているフシがある。そのため、公式を覚えておしまぁ〜い、みたいに捕らえてしまうムキもあり、モノノコトワリとは程遠い。
ましてやいわゆる参考書は「物理という不人気科目はこれでオッケー的」な、外形上「わかりやすい」内容に終始している。」
高校教程を学習してみたものの・・・のところに当てはまる気がします。
書評に戻ります・・・。
「そして大学の教養、専門のレベルになるといきなり微積のオンパレードでますます嫌いになってしまうというお約束のオチがつく。」
「では大学レベルの教科書はどうかというと、これもなかなか分かりにくい。筋道だててきちんとつながりも含めて説いてくれるものはほとんどない。
本書は、そのような高校と大学の間の紙の役目を果たす。めちゃくちゃ細かいことはとりあえずおいといて、まぁまぁ必要なところはここら辺から、という感じで 始まる。最初は畳の目を数えるペース。噛み締め、はんすうしながら読み進めなければいけない。目の前で動くものはこのようにすれば、誰がみてもわかる形に 書けるのだ、と説いてくれる。なぜ微積が必要なのかにも応えてくれる。」
まえがきの2つめ。
ここにあたる部分がこの文章にぴったりはまる感じですね。
「特に熱力学の記述は秀逸と考える。気体分子個々の気まぐれな運動から「細かいことは気にせずにまとめて考える」ことを示し、分子運動論を経て温度というエネルギーの新しいパラメータに至るくだりは現存する他書では存在しない。なぜ分子運動論なのか、なぜ温度なのかといういまで誰も触れなかった部分に光をあててくれている。そして、その方法論は細かく分けてから総合するという。
たやすくはない。なかなか見えてこない。しかし、それを超えるといままでのものの見方が変わる。」
まえがき3つめの「基礎的」とは「初歩的」を意味しないというところにも重なる感じがします。
個人的にこの著書を拝見して感じていたことを記述されている素晴らしい書評も合わせて紹介させていただきました。
高値で取引されている今著ですが、興味を持たれた方々に一人でも多く、届き、この書評のような感想をもっていただければ、このブログがきっかけの一つになれば幸いです。
最近、おかげさまでビュー数も大きく伸び、このブログを読んでくださっている読者が増えているようです。
初めましての方も、何度か読んでくださっている方も、担当スタッフ一同、良著を紹介すべく、日夜精進を重ねておりますので、どうぞ今後ともご愛読くださいませ!
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