旺文社 やさしく解ける ほんぶの数学難問特講 本部均著書 1981年発行

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今回も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。

今回、紹介させていただく1冊は、1981年発行の絶版本となり、当時数学では難問と言われる問題に要点を置き、構成されている注目の1冊です。
そして、受験生には、難問を理解することにより通常レベルの問題はスラスラ解けるようになってほしいと、著者の思いを込めた一冊です。


『旺文社 やさしく解ける ほんぶの数学難問特講 本部均著書 1981年発行』

実は、当社で発掘された参考書には見ての通りカバーがございませんでした。
気になり調べてみるとやっぱりありました。

真っ赤なカバーが目印ですが、残念ながら絶版のため書店には並んでおりません。

こちらの書籍では、

統計的に出来の悪かった大学入試問題を類型的に80問取り上げ、解き方のポイントを詳しく説明しております。
「出来の悪かった」という表現が使用されておりますが、入試では「合不を分けた」と思われる問題を使用し、
受験生の実力を見る上で重要な工夫された問題ばかりとなります。

本編に入る前に、著者でもある『本部均(ほんぶひとし)』先生のプロフィールを紹介させていただきます。


本部均先生は、
東北帝国大学数学科卒
卒業後は、北海道帝国大学助手、九州帝国大学助教授、同教授を歴任され、1952年から東京都立大学で教授となり、定年後は東海大学で教授をされ教壇に立たれておりました。
1957年からは当ブログでもチョクチョク紹介しております『東京出版 大学への数学』の創刊号から執筆に携われております。
また、著書でも「傾向と対策 数学1」「解析幾何学」などの微分幾何学を専門とした学習参考書を多数出版されております。


今回はそんな著書の中から『やさしく解ける ほんぶの数学難問特講』を紹介させて頂きます。

それでは、本書を目次から見ていきたいと思います。

目次 PARTⅠ~Ⅳ

目次 PARTⅠ~Ⅳ

目次 PARTⅤ~Ⅷ

目次 PARTⅤ~Ⅷ

PARTⅠ~PARTⅧまでの構成となっており、各項目で10の問題が掲載されております。
PARTⅠ 解法の糸口をつかめ
PARTⅡ 考え直すことに努めよ
PARTⅢ 設問の誘導にのれ
PARTⅣ 大筋をつかもう(代数幾何)
PARTⅤ 大筋をつかもう(解析)
PARTⅥ 思いつかないときは、視点をかえよ
PARTⅦ がんばれ 基本を豊かに
PARTⅧ 完璧を期そう

目次を見ただけでもだいたいの流れがつかめそうな内容となります。

本書の構成として
難問をどうして、どう考えて攻め落とすか。数学を受験生目線で説明してくれているところが良い点です。
大項目として8項目に分けて、それぞれに10の難問を取り上げ、「特講」により解説し、模範となる解答が記載されています。
必要に応じて公式と要項をとりあげ、PARTⅠより順に進めることにより難問への理解が進むようにされております。

本書は基本的な問題は掲載されておらず、難問に絞り込んで掲載しているのも特徴となります。
難問の定義として、特殊な解法を必要をし、ほとんどの受験生が解くことが出来ないいわゆる「悪問」は対象とせず、
理工系・医歯系に出題された問題で、合不を分けるポイントとなるような問題を精選し掲載されております。
本部均先生曰く、入試には悪問と言われる難問がありますが、そういった問題も対応できるように期待を込めて構成されております。

では、PARTⅠを拝見します。

PARTⅠ 解法の糸口をつかめ

PARTⅠ 解法の糸口をつかめ

まず、冒頭で難問を解く上での解説がされています。
こちらの章では、難問を特にあたり次の3項目を取り上げおります。

1.まず、条件の整理と合わせて目標・結論の整理をせよ。
2.糸口・材料が多いときは、ちょいちょい引いてみる。
3.材料が少ないとき、手がつけらてないとき、夢をもて。

ここで気になるのが「夢をもて
本部均先生は、このようなことを書かれております。

学ではこんなふうであったらよいなあ、という願望をもつことが大切。とにかく解けるはずなのですから、普通の等式と似た扱いはできないものか、変数を少なくできないか、邪魔者は追い出したいなどと考えて、夢を実現する。数学は式で論理を進める。式が不足の証明問題では、背理法で式を増やす。

本部均先生の解法は、拝見しますと、難問といえど、基本的な考え方や基本的な公式を元に解いていく手法となっております。
学習やスポーツにしても、やはり「基本が大事」だということを、改めて感じました。

PARTⅠ難問特講

PARTⅠ難問特講

PARTⅠ

PARTⅠ

各設問には「特講」という解説があります。
要点だけでなく、ポイントとなる式、公式を用いての具体的な説明は理にかなっております。
どこに、いかにして解法の糸口を見つけて考え直すかを、常にオーソドックスに説明しており、特殊な解法全く使用しておりません。
また、PARTⅡ以降では『発想の転換』についても説明さております。問題を解いている途中でも考え直す必要が必ず出てくる。
問題の本質を見抜いて幾何的に処理するようにしたいと真の答えにたどり着かない難問も存在すると説明されております。

本書を利用することで、難問に取り組む姿勢が見えてくると思います。解き方のコツさえ掴めば難問ではなくなります。ただ、コツコツと努力が必要で解法の糸口をサッと分かるようになっていただきたいです。

最後になりますが、今回も、本書を利用された熱心な方のコメントがありましたので、少し紹介させていただきます。

実力中位から取り組める難問解法本。
こんなコンパクトな本に、難問解法の情報を(過不足なく)一通りかつ気取らず取り組みやすく詰め込んだのはこの本しかありません。

数学難問へのアプローチとして、これほどわかり易く書かれたものはありません。絶版にしておくのは、もったいない。

本書の特徴をまとめさせていただきますと

・難問をどう考えて攻め落とすか有効に示している。
・基本的な問題は掲載されておらず、難問のみを掲載している。
・難問解読には特殊な解法は必要なく、一般的な解法や公式を用いている。

今回は本部均先生の『やさしく解ける ほんぶの数学難問特講』を紹介させていただきました。
こちらの参考書は基本的や、初歩的な問題は一切ございません。難関大を目指される方への難問に絞った書籍ですので、受験勉強の〆に使用されるんも良いかと思います。
紹介させて頂いたのは最初の1項目のみの内容ですが、他の項目にも先生のこだわりの特講が掲載されておりますので、是非お手に取っていただきたい書籍です。

これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。

次回更新もどうぞお楽しみに!

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