本日紹介させていただきますのは、Z会「精選日本史問題集」です。
Z会の通信教育の対象は幼児・小学生・中学生・高校生・大学生・社会人向けと幅広く、東大・京大などの難関大学の合格者も多く利用しています。
その歴史は長く、1931年に始まります。
以前、欧文社の通信添削員をご紹介いたしましたが、欧文社より1年早い創立になります。
Z会は、以前に「Z会 高校数学分野別ℵ(アレフ)シリーズ ベクトル 1988 土師政雄」も紹介しております。合わせて御覧ください。
創業者の藤井豊氏は旧制中学の英語教師でした。
生徒たちにやる気が欠けていると感じていた藤井氏は、
辞書持ち込み可という条件で、予告なく模擬試験(模試)を実施しました。
すると、生徒たちは戸惑いながらも、自分で調べ、考え、夢中で問題を解き始めました。
週に1、2度模試を続けていくと、生徒たちは熱心さを増していったそうです。
「漫然と講義を聴くより、問題を自分で解き、わからなければ自分で調べ、考え、書くという学習の方が、効果が高い」=「百の聴講より一の実践」と確信した藤井氏は、
1931年、東京淀橋(新宿)で、通信添削の実力増進会を立ち上げました。これがZ会の始まりです。
聴覚に障害を生じ、教職を辞すこととなった藤井氏が、通信添削という方法を初めて私教育に取り入れました。
あくまで教育に携わっていった藤井氏の教育に対する熱心な想いに感動を覚えます。
はしがきです。
日本史の添削が始まったのは、創業から約50年も経ったあとになります。
本書は会員の要請により、過去の問題を厳選して作られた問題集です。
こちらは第12章、近代史の内容です。
条約改正問題に絡んだ国内の政治情勢や外交問題との関連についての文章の穴埋め問題形式となっています。
ページの右側にはヒントが掲載されています。
問題文は少し割愛させていただきます。
「研究」を読み進めていくと、問題の答えが隠れています。
解答も掲載されていますので、正解を確認することができます。
また明治期の条約改正の経緯もわかりやすく表にまとめられています。
次の問題は自由民権運動に関連した史料問題です。
画像は割愛させていただきますが、こちらの問題は、先ほどの問題とレベルは同じ「標準」となっておりますが、文章記述問題もあり、少し難しく感じます。
しかし、こちらも「研究」をよく読めばおのずと正解を導くことができます。
暗記科目になりがちな日本史ですが、先人の歩んだ歴史の流れを理解し、自分で正解を探し出すことで、知識として身についていきます。
藤井氏が旧制中学の経験から確信した「百の聴講より一の実践」が活かされた参考書となっております。
この記事へのコメントはありません。