駿台文庫 大学入試 新理系の化学(下) 石川正明 1990

本日も、当社で出会えた絶版書籍を紹介させていただきます

今回、紹介させていただくのは初版が1990年に発行され、現在では新版も出ている良著、石川正明著『新理系の科学(下)』です。

単行本: 268ページ

出版社: 駿台文庫 (1990/04)

言語: 日本語

ISBN-10: 4796116761

ISBN-13: 978-4796116763

 

[人間は考える葦である](パスカル)

-思考を停止し,

やみくもに暗記することは,

自らの人間性の破壊である-

 

本編の前に掲載された一文は、有名なフランスの哲学者パスカルの言葉を引用しています。

他にも「人間の偉大さは、考える力にある」等、思考する事が人間の持つ本質であることを示唆した

言葉がパスカルの名言には多いと感じます。

この言葉を最初に用いるということは、科学の理解を深めるということは科学記号を暗記することが勉強ではなく、自然に起きうる事象を化学変化とし、それを記述すると数式となるということ。

つまり、数式の暗記ありきではなくなぜそれが起きるのか?を思考し続ける事ができるようになって欲しいという願いから出ているのではないか?と感じました。

倫理分野においては本質的な部分が書かれる事で、理解できないまま覚えていた事が理解として自分の中に入ってくるのではないでしょうか?

内容がしっかりしている為、全て一度に読み込むよりは理解を深めつつ項目ごとに読んでいく方がおすすめかもしれません。

本の内容をしっかりと理解する事で、入試の際にも慌てる事無く問題と向き合えるようになると思います。

なぜそうなるのか?意味は?書き方は?

分からない事をなんとなくにしない為にも読んでみてはいかがでしょうか?

勿論、受験生だけでなくても科学の世界を楽しむ為の1冊になるのではないでしょうか?

 

さて、著者の石川正明先生ですが駿台wikiによると駿台化学科の権威で関西化学科の主任。

神(GOD)と呼ばれる程、

他予備校・塾や高校の化学教師にも多大な影響を与え続けている偉大な存在です。

 

石川先生の項を見てみると色々な情報が出てきます。

陸上をされてたそうで走るとすごく早いとか、学生運動に参加していて、平和主義者。

「化学は暗記ではない」という信念を持って、理論的な授業展開をされるとか。

化学に対しても、生徒に対してもとても強い情熱と信念を持って授業される先生というのは学生にとってはとてもありがたく、応えたくなる講師ですね。

その情熱の為、授業が延長される事もしばしば…というよりも、授業を延長しなかったことはほぼないらしいです。

ある時他の講師が授業を15分延長し、次の授業のために待たされていた石川先生に謝ると、石川先生は笑って「15分は延長とは言いません。私が真の延長を見せてあげましょう。」と言い放ち、颯爽と教室へ消えていったという熱いエピソードをお持ちです。

他にも、体調を崩した先生の代打として急遽講義を担当する事になり、急な要請にも関わらず講義前日に過去問10年分を研究し手書きプリントを作成した。

「一生に一回の機会ですけどね、代打だからと言って手抜きはしませんよ。代打がホームランを打ちますからね。」

どこまでの情熱的な講師ですね。

熱血なだけではなくお茶目な一面もお持ちのようで、時事ネタやゴロ合わせで覚えやすくする等の工夫も。

 

ただ覚えるよりは何かと関連付けた方が覚えやすいのは当然ですし、又、理解する事を信念としている石川先生の講義なら尚更習得しやすいのではないでしょうか?

そんな石川先生の著書は沢山あります。

勿論化学に関する著書ですが、驚くのは版を変えて本が出続けている事。

石川先生の著書は大学範囲にも踏み込んだハイレベルなものであるため、大学でも化学を学ぶ生徒にとって石川先生の著書は大学入学後も重宝すると思います。

今回紹介しているのは初版が1990年に発行されていますが、石川先生著の最新発行年は4訂版で2017年。

石川先生の著書が根幹的な部分で揺らぎなく、受験生だけではなく在学中の学生や化学を好きな方々に支持されているからこそですね。

今回は石川先生の『新理系の科学(下)』を紹介させていただきました。

これからも受験生や学生の皆さんに選りすぐりの本を紹介していきたいと思います。

次回更新もどうぞお楽しみに!

 

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