いつもお越しくださっている皆様、いつもありがとうございます。
初めてお越しくださった皆様、はじめまして。
本日も、当社で発掘できた絶版参考書の中から選りすぐりの良著をご紹介させていただきたいと思います。最後までどうぞおつきあいくださいませ。
本日、紹介いたしますのは
「SEG出版 SEG数学シリーズ 複素数 1994」 著者は小島敏久先生です。
過去にSEG出版の参考書は7回紹介させていただいておりますが、SEG数学シリーズでは、「SEG数学シリーズ11 微積分講義 」光田義先生を当ブログで紹介させていただいております。
こちらも振り返ってご一読いただけましたら幸いです。
小島先生の人物像についてですが、またまた過去に他著を紹介させていただいておりまして、こちらをご参照くださいませ。
こちらで触れていない人物像を元生徒の方のブログにて一説、紹介させていただきます。
ハイレベルな講座だったこともあり、小島の教える発想法は常に斬新だった。こんな解き方があるんだと常に感心した。平凡な講師が難問を解くと、ただ解いているだけで、いつの間にか解答終了となってしまう。どういう発想で解いたのかまるで理解出来ない。だから、最後まで目が点になって理解出来ないまま授業終了となることが多い。
しかし、小島は解答の糸口となる発想から解答に到るまでの経緯を明快に説明する。おかげで授業終了後には、解法の発想から難問を解く上でのポイントをすっきり理解できるようになった。
期待が高まりますね!それでは、いよいよ内容の紹介へ参ります。
最後の3行が眼に飛び込んできました。
「複素数と幾何学とがクロスする世界の美しさ!!
その世界を探検してゆくことの楽しさ!!
それを味わうために本書はあるといっても過言ではありません。」
理数系で数学を愛する方ならば、心躍る文言ではないか?と思ったわけです。
こういう講師の方だからこそ、受講者から以下のような評価を良く眼にするのでは無いかと感じました。
授業は軽快だ。「さあ、まずどこに目を付ければいいのか?」「あ、ここが良さそうだ」いった感じの親しみやすい軽快な語り口でテンポ良く進めていく。板書量はないが、十分に練られた板書は必要十分の情報であり、それだけでも復習には十分な内容だった。板書や図は非常に洗練されており教室の何処からでも見やすいようになっている。
図を塗る作業を塗り絵と称し楽しんでいるそうです。軽快な進行に練に練られた板書を楽しそうに色塗りなどされたら惹き込まれてしまいますね。
本書の構成について触れていきたいと思います。
第一部 複素数 1~10章
第2部 複素数と幾何学 11~18章
全2部 合わせて18章で構成されています。
では、いよいよ
本編第1章 のさわりの部分の画像を紹介いたしましましょう!
解いている問題を集中的に解説するため、問題を超えた普遍的な事をあまり話さない分、物足りないと感じる者が特に上位者に幾らかはいるそうですが、高校生にも充分理解ができる内容となっております。
途中からは、高校の範囲を飛び出すことになってしまうそうですが…。
ポイントを抑えた解説で、かなり理解できるようになれるとの書評もございます。
あとがきにあるのですが、この内容を習得するとどういうことができるようになるのか?が明記されておりました。
理工学の文やで高度な応用力のある道具を手にしたことになります。
その分野は、流体力学・電磁気学・量子力学などです。
具体的な一例として、流体力学において流体の流れの様子を表すのに複素ポテンシャルと呼ばれるものを用います。これは、ある種の偏微分方程式の解です。
実際に応用できる事柄は
・高速度で走行する車の適度な形状は?
・航空機の機体(特に翼)の形状はどうするか?
・製鉄所の高炉の中の物質・熱の動きはどうか?
・化学工業のプラントの反応容器内部の物質・熱のうごきはどうか?
学んだことがどのように実際に活かされるのか?すごくわかりやすい内容ですね。
この本で学んだ学生さんが将来、電気自動車の普及のために学んだことを活かすなんてことも普通にあることなんだなあ。とイメージせずにはいれませんでした。
夢を感じますね。素晴らしいと思います。
小島先生は現在も現役で教壇に立っていらっしゃるそうなので、これからも魅力的な講義を続けてほしいと切に願います。
この後に続く、結びの言葉を読者の皆様にお伝えしてお別れしたいと思います。
ますます数学を楽しんでください。
Bisogna studiare di piu.
Tutte le strade portano a Roma.
(真理は1つ)
今後共魅力的な絶版参考書を紹介して参ります。
次回、更新もどうぞお楽しみに。
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