源氏物語特講ゼミ 代々木ゼミナール 1994 椎名守

毎朝、暑い、暑すぎると思っていたら、高校野球が真夏の甲子園球場で開催されているなら、

そういう季節なんだと納得も出来るように思いますが、全く猛暑というか、酷暑の日々が続いていますから

やっぱり、暑いです。

今は、クーラーがありますが、その時代の人々はどうしていたのかしら…と思いを馳せながら、

今回、ご紹介させていただく本は、

「源氏物語特講ゼミ」です。

代々木ゼミナールが、1994年夏期講習会で使われたものになります。

24年前の本ですが、全体的に比較的綺麗な状態です。

さて、源氏物語の名前はよく知っている…が、きちんと読んだ覚えがない

「あさきゆめみし」を、タイトルとして知っているが、…意味は知らない

その屏風絵などは、日本史の教科書にもあったような記憶はあるが、…恋愛ものだったのかもわからない

ということもありますが、この本は、特講を謳っているので、事前の勉強が必要になります。

はしがき

「源氏物語がよくわからない」「源氏物語は難しい」という受験生の声をよく聞く。

本文は、他の古文の作品と比べてかなり難解でもある、と書かれています。

この講座は、日頃の講義で取り上げられることはあるものの、まとめて講義することがなかなか出来ない

ただし、入試によく出題されるから、講習中にまとめて「源氏物語」に取り組もうという趣旨の本になっています。

源氏物語を読解するためには…

1)作品に関して

2)背景に関して

3)登場人物に関して

4)語法に関して

多くのことを知っていることが非常に有効。

そして

5)なるべく多くの本文・場面にあたっておく方がよい!とあります。

仕事と同じで、段取り(事前の準備=予習)が必須のようですね。

本文

 

この本の講座は、受講前に基礎的なレベルから講義しないので、

事前に「夏休みのうちに絶対暗記しておかなければならない最重要文法事項」はマスターすることが求められています。

1)動詞9種類(四段・上一段・下一段・上二段・下二段・カ変・サ変・ナ変・ラ変)の活用語尾を、未然形~命令形まで、何行何段でも、すべてすばやく正確に書けるようにすること。

2)助動詞の(接続)をすべて言えるようにすること。

3)助詞の(接続)を大体言えるようにすること。

4)形容詞・形容動詞各2種類(形容詞はク活用とシク活用、形容動詞はナリ活用とタリ活用)の活用語尾を、未然形~命令形まで、すばやく正確に書けるようにすること。

5)すべての助動詞の活用を、未然形~命令形まで、すばやく正確に書けるようにすること。

上記の5つですが、せっかくの特講が決まっているなら、勉強することは出来るように思います(期限が間近でなければ、後に回してしまいそうですが…)


さらに付録の「一人で学ぶ古典文法」も一通り読んでおくことも、求められています(特講ですから…)

一人で学ぶ古典文法の12講

この本は、

1)本文 1~61ページ

2)夏のおまけ(付録) 1~105ページ

3)基礎資料篇 1~38ページ

の3つに別れていることがわかります。

ちゃんと予習をして、講座で勉強するようにということのようです。

 

目次

いろはにほへと ちりぬるを (中略) 浅き夢見じ 酔ひもせず

…そう、いろはうたの最後にありました。

「あさきゆめみし」という言葉は、聞いたことはあるし、なんとなく意味もわかるような気がするのは、

漫画化した大和和紀氏の『あさきゆめみし』の影響かもしれませんね。

「はかなく浅い夢をみた」という意味に使われているようなのは、源氏物語の雰囲気を伝える、素晴らしい題だと思います。

意味がわかり始めると、俄然勉強してみたくなります。


ストーリーを掴むために、本文を読み進めましょう

源氏物語は長大な物語ですから、まずあらすじを簡単におさえる。

検索すると… 光源氏が生まれてから王子として栄え、数々の女性と恋をして、死ぬ物語。

死後、息子の物語もあるが、まずは光源氏の生涯をストーリーとしておさえる。

具体的には、恋の遍歴を女性別に追っていけばいい。夕顔との恋はどうなったか、若紫との恋はどうなったか、末摘花とは、藤壺とは。

女性別にストーリーを理解するようにすれば、かなり頭に入る。

…上記がヒットしたので、それを念頭に読み進めれば、頭に入ってくる事象がハッキリするかもしれませんね。

難関大なら、源氏物語はよく出題されています。

その理由として、
1)主語や状況が分かりにくく、読むのに高い知識を求められる
2)古文頻出の「敬語」がよく使われており、設問にしやすい
3)平安時代の文化など、エッセンス的要素が凝縮されている

難しくて内容も素晴らしい。おまけに大長編だから、出題しようと思えば色んな箇所から出題できるわけですね。


最後に

平安時代文化のエッセンスって、十二単なのかな?

検索してみますと…

十二単は平安時代の中頃に女房装束として完成されたものとなっていきました。

奈良時代から平安時代初期にかけては遣唐使の派遣も行われていたこともあり、文化的には中国のものを大きく取り込んでいました。

しかし、その後に遣唐使の廃止や日本独自の美意識や思想を見直そうという流れが生まれて、国風文化と呼ばれるものが成立していきます。

そうした過渡期に生まれた十二単は、中国の文化と日本的な美意識の掛け合わせによって新たに創造された服装と言えます。

豪華絢爛さは大陸の重ね着文化から、色合いの美しさや四季を取り入れたセンスは和のテイストが盛り込まれているということになります。

…とありました。

十二単をイメージするには、10月22日の「即位の礼」が、平安絵巻そのままに行われるようですから、要チェックですね。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

次回も楽しみにしてくださいませ。

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