「旺文社 螢雪時代付録 大学受験ラジオ講座 問題演習と解答ラジオ講座の復習 1954 計4冊 岩田一男河田龍夫塩田良平他」を紹介させていただきます。
大学への進学率が10%くらいの頃の本です。
『ラ講』
大学受験ラジオ講座は、通称『ラ講』と呼ばれていたそうです。ポッドキャスト(Podcast)は当然、まだありません。ラジコ(radiko)もない!というか、FM放送も始まっておりませんでしたから、短波放送だったようです。
↑OPテーマの「大学祝典序曲」が懐かしい…。
大学受験ラジオ講座は、旺文社の創業者赤尾好夫が、自ら設立に関与した日本文化放送協会(現・文化放送)に企画を持ち込んで、1952年(昭和27年)3月31日の開局と同時にスタートしました。
「大学受験教育の地域格差を放送を通じて解消していく」という理念を掲げていたものを、1954年(昭和29年)8月から、開局した日本短波放送(NSB)でも放送が始まり、全国での受信が可能になりました。
ラ講の影響で受験参考書は旺文社のものを使っていた方が多かったと想像出来ますね。
近年、再びラジオが注目されるようになりました。(たぶん、クリアーに聴くことが出来るラジコのおかげ?だろうと思いますが…)
消費電力が少ないから、マンガン電池など乾電池で、長く利用出来る利点もあります。
録音すれば通学時や予備校へ行く途中などに聞くことも可能。移動時間を勉強に充てられる効率的なツールとして注目されているのかもしれません。
現在なら、センター試験リスニング対策として、先ずは無料のラジオ講座からはじめてみるのもよろしいかと思います。講師はもちろん一流ですから、テキストが無くても音楽代わりに聞くだけで簡単にセンター試験対策ができてしまうと言われています。
まだまだ、全国展開の大手予備校などはなく、大都市圏のみならず地方に住む大学受験生の受験勉強、受験対策に、『螢雪時代』は欠かせない雑誌だったよう。
『螢雪時代』の強さの秘密の一つに「大学特信員」制度の充実がありました。
「大学特信員」は『螢雪時代』の読者で、大学入学後に編集協力を行うメンバーになった方達のことです。常時1,000名を超えた「大学特信員」は、入学大学のナマの情報や受験体験記を提供したが、これが受験生にとって大学選び、受験対策を行う上で、得難い情報となっていたそうです。
大学特信員については、下記もご参照ください。
苦労して勉学に励む『螢雪』については、下記を参照してください。
かつて旺文社は、旺文社模試、赤尾の豆単、中○時代・高○時代、など種々の受験対策サービスで民間教育市場で非常に大きな力を持っていました。
ラジオではご「大学受験ラジオ講座」の他にも「百万人の英語」が人気長寿番組でした。
しかし1990年に創業者の赤尾好夫が亡くなり、進研ゼミやZ会に対抗して始めた通信添削事業は大失敗で業績が悪化してしまったようです。
1995年3月末に「大学受験ラジオ講座」が終了しています。
ラジオと定期刊行書籍で、自宅で取り組む受験勉強スタイルのがあったことを知る、今では、貴重な書籍を紹介させていただきました!
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