今回紹介するのはこちらです。
著者は代ゼミの物理といえばこの人の前田和貞先生です。
本誌にもある通り上下巻ともにセットで使うことをお勧めします。
上巻が力の扱い方~熱力学まで、下巻が波動~原子構造となっています。
物理において力の扱い方や運動・熱力学は学校の授業でも初期に勉強する分野となっています。
例題約80、演習約30題程ですが、400頁を超える分厚い本となっています。
そのため、前田先生によるとても細かな解説が書かれています。
またイラストが豊富に掲載されており、色分けもされているためパッと見で判断出来るような作りとなっています。
しかし、前田先生の講義でもそうでしたが、ある程度物理的なものの見方ができ、公式は自分で導き出すものと考えているような人を対象としているため、公式を暗記しあてはめのように問題を解く人にとってはかなり難解な問題集となるかもしれません。
前田先生の講義を受けた方はご存知かと思いますが、「ジューバコ法」や、「ナデコツ・ジュー法」「センベイ法」といった、学校の授業では教わることのない、独特の図解があります。名前を見ただけでどういったものなのか興味が湧いてきます。
こういった独特の図解により、生徒に物理をより楽しく深く知ってもらおうとする前田先生の熱意が伝わってきます。
前田先生は2004年に亡くなっており、今後改訂版が出ることがなくなってしまいましたが、現在もなお物理を理解したいと思っている方には現役で使える教材となっています。
また本書の姉妹本に「前田の初級物理70選」「前田の中級物理50選」「前田の精選物理30選」があります。
こちらの3本も絶版書となっていますが、本書同様に解説がとても詳しく、編集も読み易くなっているためおすすめとなっています。
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