本日も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。
今回、紹介させていただく1冊は、1976年発行の古い参考書となり、英作文が苦手な方に向けた英作文専用の参考書です。
高校では習わない範囲まで網羅し、英作文には模範解答などないということ本書を通じて説明されております。当時は受験生に注目の1冊でした。
こちらの参考書は
英作文には「決定版」などといった唯一無二の模範解答はない。要は日本文の意図するところを的確に理解して、それを自分なりの英語でまとめればいよい。
という考えそって説明されており、
著者は、神戸大学国際文化学部でも教壇に立たれ、日本の英語学者、情報史学者となり専攻は英語学、情報論となります。
特に第二次世界大戦を含めてそれ以降の情報戦略に関心が深く、それに伴った書籍も多数出版されております。
先に、吉田一彦先生のプロフィールについて触れさせていただきます。
吉田一彦先生(1936 – )は
神戸市外国語大学 英米学科卒業
大阪大学大学院博士課程単位取得
学生時代は大学受験ラジオ講座を聴き勉強に励まれたようですが、
英字新聞記者を経て、神戸大学国際文化学部教授を務め、ご自身も大学受験ラジオ講座に出講し、英作文関係の講義を担当しておりました。
著書には、『発展的英作文演習 国公立大を目指す受験生のための』などの英語学習以外にも、『無条件降伏は戦争をどう変えたか』『闇のファイル 戦火の陰に潜む人間像』など
情報史学として、特に戦争と情報史学に関する書籍も多数執筆されております。
今回ご紹介する書籍は、吉田一彦先生の英作文関連の中から『大学入試速戦ブック 入試英作文エッセンシャルズ』を紹介させていただきます。
それでは、本書を目次から見ていきたいと思います。

目次Ⅰ

目次Ⅱ

目次Ⅲ
目次を見させていただきますと、3部の構成となり、42項目からなっております。
第1部 文法知識を利用した英作文
第2部 入試英作文頻出の重要表現集
第3部 日本語と英語の対応関係
それぞれ独立しておりますが、関連した項目も多々ありますので、第1部からの学習がいいかと思います。
それでは、本書をさらに見ていきたいと思います。

第1部 SS1 動詞の選択は英文の基礎
第1部では、英作文に役立つ文法知識を身につけるための構成となります。
英作文にはまず動詞からというのを説明されていて、どの動詞を選択するかにより解答がかわるのが英作文であると説明されております。
答えは一つではない。動詞の性質を十分に知っておいて使いこなせることが重要とされております。
〈トレーニング〉では、比較的分かりやすい問題を取り上げ、自分の力で解けるような問題を取り上げております。
試しに、上記のような問題はわかりますでしょうか。

英訳のテクニック (解説欄)
〈英訳のテクニック〉では通常の解説に加え、ちょっとした小話が印象に残る解説なんです。
だからかもしれませんが、自然と覚えてしまうところがあります。
ただ、解説はさらに続きます。

さらに発展させよう (おまけ)
〈さらに発展させよう〉では、問題に付随して心得ておいた方がいいと思われるが事柄が記載されております。
本題と類似の内容で書かれており、英会話にもつながる内容です。
英作文は、英会話にもつながるなと感じつ一面です。
続いて、第2部では入試英作文によく使われる頻出表現を取り上げております。

第2部 入試英作文頻出の重要表現集
ここで取り上げられている82の項目は重要項目ばかりです。1項目あたりは1ページ程と項目としては少ないですが、
解説と例題で構成されており、内容的には十分だと思います。
発展的な表現方法を盛り込まれており、辞書を参考にしながら自分で書き込んでいくことで、自主的は勉強法が身に付くかと思います。
英作文は、こう言ったのが繰り返して学ぶことが大切をされております。
そして、第3部へと続きます。
第1部と第2部で身につけた通常の英作文の知識に、第3部では日本語と英語の相対関係について説明されております。

第3部 日本語と英語の対応関係
本章でも記載されておりますが、
文法的に問題なく、単語の綴りも問題ないのに英文全体としてはなんとなくおかしいという印象を与える文章があるとされております。
これは、英文のセンスに関する事柄でどうにかなるもんでもないが、マスターしていくことは可能と説明されております。
本書の特徴をまとめさせていただきますと
・ 日本文の意図するところを適作に理解できるように、日本語と英語の相対を理解できる。
・ 82項目におよぶ重要表現集。
・ 当時の共通一次試験に対応し、最後の仕上げとして利用可能な参考書。
本書に出てくる例題の解答は一つの目安となり、必ずしもそれだけが解答ではないことが本書では理解できるかと思います。
英作文というのは、ある程度の基礎ができればいくらでも発展が可能とされております。そのためにはまず、紙に書いて紙をふんだんに使って手を動かすことが大事さと吉田一彦先生は記載されております。
この参考書では、基礎の事柄の理解を重視するとともに、それを次の段階に応用し何回も繰り返して学習することにより身につくように構成されておりますので、今の時代でも役に立つ1冊です。
今回は吉田一彦先生の『大学入試速戦ブック 入試英作文エッセンシャルズ』を紹介させていただきました。
紹介させて頂いたのはわずかな項目と例題のみですが、英作文の参考書は当時は数少ないため、当時に非常に人気の書籍となり、先生のこだわりの解答解説が掲載されておりますので是非お手に取っていただきたい書籍です。
これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。
次回更新もどうぞお楽しみに!
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