工学社 物理の小箱 2015 一宮彪彦

本日紹介させて頂く書籍はこちら!

『身の回りの現象の「理屈」を「物理」で考える 物理の小箱』です。

物理…と耳にした瞬間、多くの文系の学生や大人は苦手意識が前面にでてくるのではないでしょうか。

今回のブログ担当も、物理となると知識がまだまだ不足していますが、良本ということで手にとってみました。

著者の先生は1940年生まれの神奈川県出身で、名古屋学工学部卒業後、そのまま応用物理学科の助手からキャリアをスタートされて東北大学や日本女子大学でも教鞭をふるい、、

現在は名古屋大学工学部名誉教授をされている物理の研究に人生の大半を捧げてきた方です。

趣味はヴィオラ演奏、オペラ鑑賞、スキーとのこと。

そんな経歴の先生の著書にしては「小箱」とかわいらしいタイトルではありますが、きっと中身はむずかしい数式やに違いない…

恐る恐る本を開いてみます。

冒頭はなんだかシンプルな印象です。

生活に欠かせないエアコンも、その「物理」を近いすると、いかに経済的な装置であるか見えてきます。

(中略)

さらに、ダイエットについても、人間がいきるためのエネルギーを「物理」で計算すれば、何をすればよいかが見えてきます。

難しい話が始まると思いきや、「エアコン」「料理器具」「ダイエット」と身近な単語が並んでいます。

物理を学ぶ意義について、世界の物理的な現象が「なぜそうなるのか」という理屈を示し、その「理屈」は他への応用が可能なものではなくてはならないそうです。

ある現象について「なぜそうなるのか」と示した理屈は、他の事象についても明らかにする手段となるのです。

しかし、その「理屈」は数式において「値」として具体的な数字として示される必要があり、そこから日常的な目線では気づかない世界があるとのこと。

その気づけていない世界について、本書は身近な出来事を例に解説してくれるとのことです!

文系でもわかるかも‥‥!?

まずはじめは、そもそも「物理」とは何か、ということです。

ある現象を理解する場合、「物理」では、余計な飾りを取り去って、本質的な部分を理想化することから始めるので、「難しい」と感じるかもしれません。

たとえば、物体の運動では、その「大きさ」を無視して、「点」として考えます。

なせこんなことを考えるかというと、「物体」は回転したりすると「回転運動」やそれによって生じる「回転エネルギー」を考えなくてはならず、話が単純で

なくなります。

そこで、まず話を簡単にするため、「重さ」すなわち「質量」はあるが、「大きさ」のない「点」、「質点」として考えるのです。そのため、「現実性がない」と思われてしまうのです。

上記で述べられていることは、まさに物理に出だしで得手不得手がでてくる部分ではないでしょうか。

現実世界の話をしているのに、実際に目に見えていない点や線で物体や動きをイメージして考察していくことに違和感や苦手意識がありましたが、こうやって説明されると納得できますね。

物理とはどのような学問かを噛み砕いて説明してくれています。

「物理」とはイタリア人のガリレオ・ガリレイが近代的な方法論を確立したとされています。

そのきっかけというのが、一説ではピサの大聖堂でシャンデリアを眺めていたとき、シャンデリアの飾りが同じ長さの場合、

大きく揺れているときも小さく揺れているときも左右の振れ幅の往復時間が同じであることに気付いたためというのですが

もし本当だとするとものすごい観察力です。

しかし、この例からも物理が身近な物事の現象と直接つながっているということがわかりますね。

本書ではそのタイトルの通り、身の回りの出来事や事項を例に物理を面白さを説いていきます。

 

やはり数式やグラフは必須のようで、途中は難解になる部分もありますが初心者には物理に触れるにぴったりの書籍ではないでしょうか。

担当者も文系思考な人間ではありますが、理科には大いに興味がありますのでチャンスがあればまたゆっくり読破してみたいと思いました♪

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