本日は「SEG数学シリーズ12 図形と方程式 -解析幾何学入門- 1995 小島敏久」を紹介させていただきます。
著者は小島敏久先生です。
小島先生の著書は過去にも当ブログで何度か紹介させていただいております。
人物像はこちらの記事をご参照ください。
そして数学の参考書といえばSEG出版が有名ですね。
本書もそうですがSEG数学シリーズだけでなく入試数学闘う50題などたくさんの数学の参考書が発行されています。
SEGに関してはこちらで紹介させていただいておりますので興味のあるかたはご覧になってはいかがでしょうか?
まず最初に図形の問題を解く方法について書かれています。
最も古くギリシア時代から用いられている総合幾何学
これはピタゴラスやユークリッドやアルキメデスらによって研究されたものです。
それを学校教育の中で初等幾何という名で学んでいますね。
そして点の位置を座標で表し、点が集まってできる図形を満たすべき方程式で表してその図形の問題を考えるという方法もあります。
これを解析幾何学と呼びます。
本書では、直線・円などを対象としたいろいろなテーマの問題を素材としてこの解析幾何学の手法を身につけ図形問題を解く力をつけることのできる参考書になっています。
この解析幾何学は17世紀に基礎概念である「座標」という考え方が、ルネ・デカルトの著書「方法序説」登場しデカルトやフェルマー達によって始められたとされています。
そもそも座標とはどのような考え方なのでしょう?
少し本書の内容を確認してみると平面上の点の座標について書かれていますね。
直交座標・斜交座標・極座標
座標にも様々な種類があるようです。
その中でもよく用いられるのが直交座標
直交座標とは互いに直交している座標軸を指定することによって定まる座標系のことです。
まず平面上に数直線を一本引く。この直線をx軸と呼ぶことにする。
x軸に対して直角に直線を引いた直線上の全ての点は、同じx座標の値をとると定める。
次にこのx軸に対して、原点から直角にもう一本数直線を引く。
これをy軸と呼ぶことにするy軸もx軸と同様にy軸に対して直角に直線を引いた直線上の全ての点は、同じy座標の値をとると定める。
これが直交座標の考え方ですね。
文字にすると少しわかりにくですが
数学ではよくみかけるこちらの画像、これこそが直交座標になります。
そしてこの直交座標は先ほどお話した座標の概念を確立したフランスの数学者ルネ・デカルトの名をとってデカルト座標系とも呼ばれています。
同様に解析幾何学も座標の概念が取り入れられている為、座標幾何学やデカルト幾何学と呼ばれることもあります。
そして解析幾何学は座標を利用することにより図形のもつ性質を座標のあいだに表れる関係式として特徴づけたり、数や式として方程式を扱うことにより総合幾何学よりも易しくしたと言えます。
幾何学にもいろいろな種類があり、
本書にも登場する解析幾何学や総合幾何学のほかに微分幾何学や代数幾何学、位相幾何学など古くは古代ギリシャ時代から始まり今日まで様々な人物により新たな発見がされています。
新たな幾何学の発見により衰退していった初等幾何学も、近年ではその重要性が見直され部分的に復活してきたりもしており新たな発見と古くからの積み重ねられた知識を複合し本書を読んで成長していった数学者の中から、新たな幾何学が誕生する日がいつかくるのではないでしょうか。
そんな日を心待ちにしながら、本日はこの辺りで失礼いたします。
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