南雲堂 英語の語法診断 日本人の英語の誤り 1980

当ブログにお越しいただきありがとうございます。

今回はこの書籍を紹介させていただきます。

1980年に南雲堂より発行された「英語の語法診断 日本人の英語の誤り」です。

著者はピーター・ミルワード先生、訳者は土家典生先生になります。

当社の買い取りの際にもピーター・ミルワード先生の名前はよく目にするので英語学習者の方は知っている方も多いのではないでしょうか?当ブログで先生の著書を紹介するのは初めてになりますのでどのような人物なのか紹介させていただきます。

ピーター・ミルワード先生はイギリスのロンドン郊外のテニスで有名なウィンブルドンで生まれ、1943年にイエズス会に入会されました。1954年にイエズス会の宣教師としてイギリスから来日し、2002年まで上智大学で文学部英文学科専任講師や同大学ルネッサンスセンター所長、東京純心女子大学・短期大学の教授など勤められていました。晩年までは上智大学公開講座や同大学ルネッサンスセンターで教鞭を執っており、上智大学名誉教授でもありました。ですが、残念ながら2017年8月16日に91歳で亡くなられました。代々木ゼミナールでは英作文(和文英訳)の指導にあたっており英語、キリスト教、イギリス文学(特にシェイクスピア)、イギリス文化、日英の比較文化論などに関する著書を多く残されました。

つい最近、亡くなられていたのを知り驚きました。告別式では上智大学短期大学部学長の山本浩先生が弔辞を述べられ、ミルワード先生の授業の思い出や宣教師としての偉大さ、学生たちを夏休みに英国旅行に連れて行ったことなどの感謝とともに捧げられたそうで、上智大学のためにご尽力されていたのだなと伝わりました。

 


では、内容の紹介に入らせていただきます。

こちらは「まえがき」の部分です。

本書は一冊の本として書き下ろした物ではなく、日本式英語ジャップリッシュの専門家であるピーター・ミルワード先生が本書が発刊されるまで25年以上にわたって発刊した書籍や新聞、雑誌などに寄稿してきた内容をまとめた一冊になっています。英語のしゃれを正確に和訳することは不可能であり、その不可能に挑戦した本書。訳者の土谷典生先生は和訳するのにかなり苦労されたと思われます。

こちらは「もくじ」の画像です。

日本人がよく間違える日本語にはない冠詞の使い方や名詞の単数形や複数形の誤用など英語上級者やネイティブな方でも間違えてしまうような、内容が収録されています。

こちらは先ほどもくじでも触れた「関心できない冠詞の用法」の一部になります。

冠詞のような小さな言葉の使い方ひとつで妻の数を一人にしたり多くしたりという「些細なことなのにインパクトは最大」なそんな英語の誤りをイラストと一緒にわかりやすく記載されています。

こちらは別の内容になるのですが、日本では中学入学と同時に英語を習い始めますが、それに対して中学入学からでは遅すぎるので6年早く小学校入学から始めるべきだということも書かれていました。中学入学からしか習わないというのは今思い返すと難しいから小学生には早いというイメージがあり、中学生になっても難しい、苦手だという意識が私にはあったように思い小学生から初めていたらまた変わったのかなとも思いました。


古い本なので今では多少陳腐化してはいるものの、ミルワード氏のネイティブならではの着眼点は十分示唆に富み勉強になるかと思います。しかし、あまり実感のわかない論点も含まれているので、英語教師か、教員志望の大学生くらいの方が想定読者になるようです。

ですが、アマゾンの中古価格は約100円と、絶版ですがとても安いので興味のある方は是非お手に取ってみてください。

ピーター・ミルワード先生は専門はシェイクスピア研究で著書を数百、世に出している文筆家です。今回紹介させていただいた「英語の語法診断 日本人の英語の誤り」も読んでいただけたらと思いますが、ピーター・ミルワード先生に興味がわいた方は「ザビエルの見た日本」など他にも有名な著書がありますの是非読んでみていただけたらと思います。

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