皆様こんにちは!
とうとう2月になりましたが、志望校に合格された方々や、
これから受験される方々とで二分される時期だと思います。
講師として教鞭をとる方も、最後の最後まで
熱心にご指導されていることかと存じます。
寒く大変な時期ですが、皆様が存分に力を発揮されることを強く願いながら、
今回も絶版書の紹介をさせて頂きます。
本日紹介するのは、かなり昔に出版された本にはなりますが、
1955年に旺文社から出版されました
昭和31年版 大学入試対策シリーズ 世界史の傾向と対策 です。
本書の内容に入る前に、まずは著者を少し紹介させて頂きます。
吉岡 力(よしおか つとむ、1908年(明治41年)1月19日 – 1975年(昭和50年)10月25日)は、日本の西洋史学者。
山口県出身。東京帝国大学卒。旧制浦和高等学校教授、戦後東京大学教養学部助教授。1951年に教授となり、1968年に定年退官、東海大学教授。歴史教育研究所を設立し所長。専門は古代オリエント史。受験参考書を多く書いた。1975年10月25日死去。67歳。
著書
- 『新制大學入試世界史東洋史西洋史の傾向と對策』旺文社 1949
- 『世界史の研究』旺文社 1949
- 『世界のれきし』偕成社・目で見る児童百科 1963
- 『世界のれきし 古代から現代まで 小学生百科』偕成社 1967
- 『歴史パズル 人間は、どこまで進歩したか』光文社・カッパ・ブックス 1968
- 『世界史Bの傾向と対策』旺文社 1969 大学入試対策シリーズ
- 『世界史年表 人間は、いかに生き、いかに愛し、いかに死んだか』光文社・カッパ・ブックス 1969
社会科では、日本史が得意な方と世界史が得意な方がいらっしゃると思います。
もちろんどちらも得意な方もおられるでしょうが。
今回の本は世界史に特化したものであり、人名なども日本史に比べると
漢字は少ないですが、紛らわしい名前が本当に多いですよね。
自分ではきちんと書いたつもりでも、見直しをした際にうっかりミスがあった!
なんてことも身に覚えがあるのではないでしょうか?
本書は序編と本編に分かれており、序編では世界史においての学習の仕方や、
この時代の当時の問題に対する出題傾向の分析および対策などについて書かれています。
昭和31年の本のため、少し言葉が硬い表現にはなっていますが、
内容の理解に関しては問題なく読み進めることができました。
本編の一部分ですが、あまり写真のような問題の形式は見たことがありません。
これが本書の独特の形式ですが、一問一答ではなく範囲的に問題を出し、
全体的な視野で歴史の流れを覚えていく方法です。
ローマ帝国時代だけで考えると覚えている人名や出来事などもすっと出てくる方も、
流れに沿って、この人物の次はこの人物 と、すんなり回答することは
現在の形式に慣れていると、少し難易度が高いように感じました。
このように、著者は流れを把握していくことで、当時の対策をとるよう考えていたのでしょう。
ですが、この方法は今の時代でも通用すると思います。
もし、普段勉強されている教材に少し疲れたり気分を変えてみたいと感じている方は、
長年に渡り参考書に触れていらっしゃる読者の方は、よろしければ一度本書を手にとって頂ければと思います。
現在の参考書と比較して、新しい発見があるのではないでしょうか?
今の当たり前が生まれるプロセスを体感すると、「当たり前」のことのありがたみを感じることができました。
次回からも、より皆様に興味をお持ち頂けるよう、素晴らしい絶版書の紹介を致しますので、
是非ともご覧ください!
この記事へのコメントはありません。