科学新興社 ステレオグラフ 幾何 1961 田中太三郎

本日紹介させていただく参考書は「科学新興社 ステレオグラフ 幾何 1961 田中太三郎」になります。
CIMG1317_R

この書籍には一風変わったところがありまして・・・
CIMG1318_RCIMG1319_R
なんと、3Dメガネが付属しているのです。

懐かしいですね3D、大好きですね。
任天堂の中興の祖と呼ばれた山内溥と同じくらい3Dを渇望していた頃がありました。
海外に出荷するバーチャルボーイに値札を貼るバイトをしたこともあります。

 


いきなり話が大きく逸れましたが、

幾何図形って本じゃわかりにくいなー、所詮は紙媒体だしなーと勝手に思っていたことも正直あるんですけど、そんな気持ちを見透かすがごとく、

「空間図形はいままで書物の上ではなはだしい虐待をうけてきました。干しいかのようにように圧しつぶされ哀れなありさまでしたが、これを紙の上に起き上がらせていきいきとした表情を取りもどしてやるのがステレオグラフであります。」
と力強く語る著者の田中太三郎さん
CIMG1324_R
お名前は存知あげなかったのですが、
「無味乾燥のように思われがちな幾何図形も、よくよくながめると多種多様の表情を持っていて実に楽しいものです。その上色彩でお化粧すればさらに姿がひきたちます。」
と幾何図形に対する果てしない愛からこの書籍を書かれたことが伝わってきます。

CIMG1322_RCIMG1327_R
その愛ゆえにがんばりすぎた結果、
「はじめは中学上級生に理解されることを目標に書きはじめたのですが、書いているうちに高校程度となり、またところによっては高校以上の程度にまでおよぶなど一貫していませんが、まあ公式集のようなつもりでりようしていただければ幸いと存じます。」
という内容になっています。

CIMG1320_R
ただ、このような試みが1961年(昭和36年)からなされていたことに驚きをかくせません。

 


こちらの書籍、超がつくほどプレミア価格となっています。

発売された年数が古いこともありますが、幾何・図形問題はそれだけ解くのが難しく求める人が多いというのがひと目でわかりますね・・。

 


ちなみに、メガネが付いた参考書はこの「ステレオグラフ 幾何」が元祖ですが、その後30年近くたって1989年に矢野健太郎先生が科学新興社から「わかる空間図形 傾向・演習」というメガネが付いた参考書を出しています。

 

科学新興社 わかる空間図形 傾向・演習 1989 矢野健太郎

 

関連記事

  1. 試験で点がとれる 安河内哲也の英語 魔法の長文解法

  2. 知らなきゃ差がつく英単語 へんとつくりの正しい理解 1984 長崎玄弥

  3. 風濤社 反数学教育論 なぜ数学を学ぶのか 1977 土師政雄

  4. 大学入試 1問1答 英文法初級問題集 ’91 山田弘

  5. SEG出版 数学総集闘う50題(’94~’00) 2001 小島敏久

  6. 旺文社 堀木の読めてくる現代文1 基礎づくり10+1講 1992 堀木博禮

  7. 旺文社 鉄則 基礎解析 寺田文行 1988

  8. 中経出版 数学が思わず好きになってしまう本 2002 丑田俊二

  9. 歴史春秋社 日本史の何故がわかる 総ふりがな なぜなぜ日本史 菊地昌美

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

サイト紹介

絶版参考書博物館

主に大学受験の参考書や問題集、教材で絶版となった書籍を紹介しています。王道からマニアックな参考書まで毎週、著者や内容、時代背景とともに紹介します。

カテゴリー

カレンダー

2016年8月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031 

月別アーカイブ

運営サイト紹介

PAGE TOP