本日紹介させていただく参考書は「科学新興社 ステレオグラフ 幾何 1961 田中太三郎」になります。
この書籍には一風変わったところがありまして・・・
なんと、3Dメガネが付属しているのです。
懐かしいですね3D、大好きですね。
任天堂の中興の祖と呼ばれた山内溥と同じくらい3Dを渇望していた頃がありました。
海外に出荷するバーチャルボーイに値札を貼るバイトをしたこともあります。
いきなり話が大きく逸れましたが、
幾何図形って本じゃわかりにくいなー、所詮は紙媒体だしなーと勝手に思っていたことも正直あるんですけど、そんな気持ちを見透かすがごとく、
「空間図形はいままで書物の上ではなはだしい虐待をうけてきました。干しいかのようにように圧しつぶされ哀れなありさまでしたが、これを紙の上に起き上がらせていきいきとした表情を取りもどしてやるのがステレオグラフであります。」
と力強く語る著者の田中太三郎さん
お名前は存知あげなかったのですが、
「無味乾燥のように思われがちな幾何図形も、よくよくながめると多種多様の表情を持っていて実に楽しいものです。その上色彩でお化粧すればさらに姿がひきたちます。」
と幾何図形に対する果てしない愛からこの書籍を書かれたことが伝わってきます。
その愛ゆえにがんばりすぎた結果、
「はじめは中学上級生に理解されることを目標に書きはじめたのですが、書いているうちに高校程度となり、またところによっては高校以上の程度にまでおよぶなど一貫していませんが、まあ公式集のようなつもりでりようしていただければ幸いと存じます。」
という内容になっています。
ただ、このような試みが1961年(昭和36年)からなされていたことに驚きをかくせません。
こちらの書籍、超がつくほどプレミア価格となっています。
発売された年数が古いこともありますが、幾何・図形問題はそれだけ解くのが難しく求める人が多いというのがひと目でわかりますね・・。
ちなみに、メガネが付いた参考書はこの「ステレオグラフ 幾何」が元祖ですが、その後30年近くたって1989年に矢野健太郎先生が科学新興社から「わかる空間図形 傾向・演習」というメガネが付いた参考書を出しています。
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