今回は「代ゼミ 私立医歯薬数学 1982 夏期講習」を紹介します。
方程式から始まり関数・ベクトル・微積分
苦手な人にとってはどれも難しい内容ですが、数学を勉強する上ではどれも外せない物になっています。
このテキストが執筆された1980年代というと、日本はバブル景気で予備校業界もブームに沸いていました。その中でも駿台・河合塾・代ゼミは3大予備校と称され、「生徒の駿台、講師の代ゼミ、机の河合」という言葉も生まれました。
特に、今回テキストを紹介した代ゼミでは、土屋博映・佐藤忠志・荻野文子・吉野敬介などの個性的講師が人気を集め、鬼塚幹彦・原秀行・田村秀行・中村稔・山本矩一郎・宮尾慈良・青木義巳・多久弘一・潮田五郎・管野祐孝・本正弘など蒼々たる講師陣が教鞭をとっていました。
ちなみに、代々木ゼミナール創業者の高宮行男氏は、予備校講師という職業をこう評したそうです。
「予備校教師は5者を兼ねなければならない。学者、医者、役者、芸者、そして易者だ」
5者とは噛み砕いて言えば、学問を教える立場の「学者」。鬱屈した浪人生の心を支え、癒す「医者」。教室を舞台に見立て、“教師役”を演じる「役者」。時には、艶やかな衣装や芸で魅せ、生徒の羨望の的となる「芸者」。そして志望校に導くアドバイスや“読み“ができる「易者」のことだそうです。
現在の予備校業界に至る至言といったところでしょうか。
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