本日紹介するのは「7日間で基礎から学びなおす カリスマ先生の英文解釈」です。
著者は富田一彦先生です。
富田先生の参考書は以前に一度紹介せていただいていますので、そちらも合わせて御覧ください。
富田先生については以前紹介させていただきましたので、今回は割愛させていただきます。
解法の素晴らしさはもちろんですが、時折ある毒舌でも有名です。
前回の紹介とは違う毒舌を紹介しますと、「この「no」を「ない」と訳した人、ないのはあなたの合格番号です。」があります。
これには「この知識はそれくらい重要だから絶対に今後忘れるなよ。」という思いが読み取れます。
ただ毒舌であるだけでなく、生徒を思った授業をされていたことが代ゼミの英語四天王と言われ人気であった証拠だと思います。
本書を見ていきましょう。
まえがきの部分です。
「7日間で英語の読解をできるようにする」という企画を聞いたとき、なんという「なめた」企画だろう、と正直あきれた。受験生が下手をすれば1年以上、汗水たらして努力していながら必ずしも成功するわけではないこと、たった7日でやり遂げてしまおうというのだから、無謀もいいところである。
1行目にタイトルを否定する文章が飛び込んできました。
私は言いたいのである。「英語は誰にでもできるようになるものではない。だが、誰にでもできるようになるものである。」と。一定以上の継続的な努力を経ないで、英語ができるようになる魔法の術など、この世に存在しない。覚悟を決めなくてはならない。一方で、英語は「いくらやってもできるようにならない」ほど難しいものでも、その理解に特殊能力を必要とするものでもない。語彙と構造の壁を突破するだけの意欲と知性の持ち主なら、誰でも(7日では無理だが)そう長期間の修行を経なくてもできるようになるものである。
英語へ取り組む姿勢について書かれており、先生の熱意が伝わってきます。
本文を見てみると1日毎にどれに注目して取り組むべきかが最初に提示されています。
また文字も大きく見やすいものとなっています。
第一講では
(1)英語であろうが日本語であろうが、一文一文は「いつ、どこで、だれが、何を、どうする」「AはBだ」という情報(格関係)を示しているにすぎない。
(2)日本語の場合には(1)の情報を「〜が」といった助詞を語尾につけることで、文内の単語や句、節それぞれが、どのような情報を示しているのか(「〜」が「だれが」を示しているのか、「何を」を示しているのか)を定める。
(3)英語の場合には、(1)の情報を動詞、語順、前置詞句の組み合わせで示す。まず、動詞を決めると、その動詞の周囲の語順が機械的に決まる(動詞ごとにとれる語順が決まっている)。「いつ、どこで、だれが、何を、どうする」のうち、(あるいは「AはBだ」のうち)動詞と語順だけで伝えきれなかったことについては、前置詞句を用いて述べる。
といったことがかかれています。
本書は文字も大きく薄い本であるため、この一冊で英語の読解力がつくことは難しいのかもしれません。
それでも本書が良本である理由は、少ない単語の知識でも英文法の基本ルールを用いて、どんな難解な大学入試にも切り込んでいくところに醍醐味がある。
そういった富田先生の素晴らしい読解法の一端が見えてくるからでしょう。
5文型などの理解が不十分な方にとっては、本書は難解となってしまいます。
他にも富田先生の参考書は素晴らしいものが多いため、そちらから入られることをおすすめします。
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