いつもお越しくださっている皆様、いつもありがとうございます。
初めてお越しくださった皆様、はじめまして。
本日も、当社で発掘できた絶版参考書の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきたいと思います。
最後までどうぞおつきあいくださいませ。
本日、紹介いたしますのは・・・
「日本評論社 数学セミナー増刊 現代数学のあゆみ3」です。
単行本: 182ページ
出版社: 日本評論社 (1995/08)
言語: 日本語
ISBN-10: 4535702292
発売日: 1995/08初版発行
本のデータを紹介させていただきました。すごくスッキリした落ちついたカバーデザインですが、
1990年代のテイストがすごく感じられる装丁ですね。その頃に青春を過ごした筆者にはとても懐かしさを感じずに居れません。
そして冒頭に早速あとがきの紹介をいたします。画像を御覧ください。
ご理解いただけましたでしょうか?最初にあとがきの画像をご覧いただきましたのは、この本は「数学セミナー」誌上において「現代数学史研究会」で講演されたものが発表されたものであるということ。それぞれの回に著者がおられ、加筆修正されているまとめ本であることをお知らせしたかったからなのです。
数学の広い世界の中の、いろいろな問題や専門分野はどのようにして生まれ、発展してきたのか?
そこを主題に数学の歴史を多数の数学者が自由に語った内容なのです。
ですから、当然にように数学セミナーを毎月購読している愛読者向けの内容なのかと推測していましたが、意外なことにそうではなく・・・
画像のまえがきにもあるとおり、専門家ではない人を読者に想定し、あまり技術的な細部にこだわらないで展望を試みたとあります。数学に関心のある広い範囲の方々に興味を持って頂けることを念願しているとあります。理系の数学専門家が、歴史を語る。そういう面白さを感じてしまいますね。
ところで、数学セミナー増刊は、一度当ブログでも取扱をしております。数学セミナーの紹介もそこでしておりますので、興味の湧いた方は、ぜひ下記リンクをどうぞ!↓
数学セミナーのおさらいが終了したところで、収録内容をレビューいたしましょう。
全21回分の大ボリュームです。
全てを紹介は字数の関係もありますので、焦点を一つの記事に当て、紹介したいと思います。
この回で成り立ちが紹介されている、複数関数論に興味が湧き、調べて見た中で出会った
とある指導者の方のお話を紹介したいと思います。
複素関数論は「数学のなかでも非常に美しい」と言われることがあるそうです。
しかしここでいう「美しい」とは、宝石の輝きのように実体が存在するものではないということです。
「不思議とうまくいく」といった感覚的なものを指すようなのです。
複素関数論のあらゆる定理に,完全に論理的な証明をつけることができ、
複素関数の数学的な特性と人間の知的能力は,面白いほどに噛み合っているため、
誰にでも「非情に美しい」という感覚を味わうことができるようなのです。
数学を通してそのような感覚には至ったことがないので、非情に興味が湧いてきました!
ここで、ハッと気が付きましたが、これがこの本の狙いなのですね。
内容を読み、ひっかかった項目を調べ、触れたことで「学んでみたい。」という「欲求」が筆者の中に生まれました。
指導する方が誰にでも味わうことができる仰った言葉とこの本に触れたからこそ、生まれ出たものですね。
まさに、数学の成り立ちに触れ、面白く感じることができました。
この本は第3巻ということで、他にもまだ多くの「出会い」が待っているようです。
別巻が入荷した折には、また触れて感動を皆様にお届けしたいと思います。
今後共、当ブログの更新をお楽しみに!
また、お会いしましょう!
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