いつもお越しくださっている皆様、いつもありがとうございます。
初めてお越しくださった皆様、はじめまして。
本日も、当社で発掘できた絶版参考書の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきたいと思います。
最後までどうぞおつきあいくださいませ。
本日、紹介いたしますのは・・・
ごま書房「 古文 例の方法(決定版)」 です。
著者は、今著発行時に代々木ゼミナールで講師を務めておられた有坂誠人先生です。
書籍データは、以下のとおりです。
新書: 272ページ
出版社: ごま書房 (1995/08)
ISBN-10: 4341016741
ISBN-13: 978-4341016746
発売日: 1995/08
今著に掲載されている有坂先生の近影です。
代ゼミ講師を務めておられたのは、1980年~1990年代のようで、国語(現代文・古文)を教えておられたようです。
比較的近影に近い画像がこちら。
雑誌の特集記事で恩師に会いたいという企画で紹介されたもののようです。その他の画像も検索してみたところ、パイプがお好きだとお見受けいたしました。ほぼ全ての画像でパイプをくわえていらっしゃいました。
本文を読まずに設問の選択肢から答えを出す方法について代々木ゼミナールで教え、それらの方法を例の方法と命名。学習参考書としても専門であった現代文、古文以外に英語版も出版した。1987年に出版された「例の方法」は、その前年度に出版された津田秀樹の物と酷似していた。 現代文に「方程式」を持ち込んだ手法は、受験国語では駿台の藤田修一や同じ代ゼミで同僚だった田村秀行と同様であった。(ウィキペディアより引用)
引用に出てきた田村秀行先生については、当ブログでも2回、著書を紹介させていただいております。合わせてご覧いただけましたら、幸いです。
タイトルにある「例の方法」が気になります。
例の方法とは、本文を読まずに設問の選択肢から答えを出す方法について代々木ゼミナールで教え、それらの方法を例の方法と命名し、その紹介をしたのが今著なのです。現在、当社に到着する古文テキストなどで頻繁に目にする○や❏、△といった記号を利用した解法。本文をより解りやすく整理するための書き込みかと思っていましたが、生まれた当初は本文を読まずに答えを導き出す方法として世に生み出されていたとは、驚きです。
ここで始まり、時の流れの中で変化した。その歴史を知ることができる1冊ということができますね。
「古文の成績を強引に上げる。」とキャッチーなコピーが目を引きます。
①出題者心理を読むことで、問題文を読まなくとも選択肢から正解を導き出す。
②問題を”汚す”ことで、問題文の人物関係をクリアにする。
③”有坂式敬語攻略法”を適用することで、問題文の人物関係をクリアにする。
大きくこの3つのポイントが訴求されていますが、
では、まずはその説明を「まえがき」から見てまいりましょう。
古文の解釈が苦手で、諦めていた受験生にとってはとても魅力に溢れた記述ではないでしょうか?
問題文に同じ記述がでてきたら、とりあえず○で囲んでみる。同じ言葉が何度も繰り返されるのは、同じ人の動作であることが多い。登場人物が何をしているのか読み取ることができなくても問題文の”汚れ”を見れば、「主語は誰か」「どんなあらすじなのか」がはっきりと浮かび上がるとあります。
正解が浮かび上がる”快感”とまで表記されていますから、できるだけ色々な問題文を汚していくことで、どんどん上達していけるのだと思います。自分の受験生のときに試してみたかったと思いました…。
それでは、いよいよ本文へ進んでいきましょう。
出題者心理で導く「選択肢推断法」というのが例の方法のことですね。
ここで書かれていることは、出題者がどのような心理で選択肢を設定したか?から考えて眺めれば、答えが見えてくるということが解説されています。
間違わせてやろう。という心理から出題される選択肢にはあるパターンができてしまうのだそうです。
選択肢をつくるときには、
まず、正解の選択肢をつくる。
なるほど。
不正解の選択肢には、絶対に満たさなければならない条件が2つある。と
まずひとつ目は、
「ひと目で不正解とわからない。正解だと思えるものでなければならない。」
そして、2つ目は、
「絶対に正解であってはいけない。」
ということだそうです。
その点に留意して、設問をご覧ください。
読者の皆様には、正解が見えますでしょうか?
少し、画面がぼやけていて、申し訳ございませんが次の設問もそのまま紹介させていただきます。
でっち上げ選択肢にも正解と意味的に繋がっている部分があるというのです。
そこに注意しながら、設問に挑戦してみてください。
正解には、辿りつけましたでしょうか?
私自身、ページを読み進める毎に鍛錬の重要性には、すぐ気づくことができたと思います。学んだことを試してみたい!色々な他の問題文も”汚し”に挑戦してみようという意欲が湧いてきました。
読者をそういう気持ちにさせるところは、もう良著であると言えるのではないでしょうか?
設問の回答が気になるかたは、ぜひお手に取っていただけましたらと思います。
今後共、当社で発掘できました良著を紹介していきたいと日々、題材を探しております。
次回の更新もぜひお楽しみに。
最後までお付き合いありがとうございました!
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