三省堂 現代英文解釈法 改訂版 荒牧鉄雄著 1962発行

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今回も、当社で発掘できた絶版書籍の中から選りすぐりの良著を紹介させていただきます。

今回、紹介させていただく1冊は、1962年発行という非常に古い書籍となり、昭和の時代にもっとも親しまれた参考書の一つです。

『三省堂 現代英文解釈法 改訂版 荒牧鉄雄著 1962発行』

こちらの書籍では、

英文を読解するためには、次の3つが不可欠であると著者の荒牧鉄雄先生は記載れております。

① 単語・熟語の知識
② 構文の理解
③ 文の中心思想(文脈の把握)

本書ではこの3点を十分に満たしながら、文法を中心に、発音・綴り・文型に注意し意味を理解しやすいようにし、総合力を身につけるように執筆された1冊です。

先に著者でもある荒牧鉄雄先生を紹介させて頂こうを思ったのですが、本書内の見返しや裏表紙を見させて頂いても全く荒牧先生の紹介がございませんでした。
それどころか、見返しや裏表紙まで勉強のことばかりなので、こんなところからも荒牧先生の熱心さが伝わってきます。

しかしながら荒牧先生のことを知らずに本書を紹介するわけにもいかないので、ネットを駆使して少し調べさせていただきました。


荒牧鉄雄先生
福岡県八幡市出身 (1900-1992)
《教授歴》
西南学院高等学部の教諭、武蔵高等学校教授を勤めながら青山学院神学部予科講師・東京外国語学校講師などを務めておられます。
また、東海大学の設立に際し、満州国視察に参加し開校後は教諭として、教鞭に立たれております。その後は青山学院女子短期大学兼青山大学教授を歴任されました。
《社会活動歴》
大正11年(1922) 文部省英語教授顧問(Harold E. Palmer)の来朝と同時に助手として研究補佐にあたり、学位論文の原稿整理などを手伝い、英語教育改善に努めました。
昭和29年(1954)からはラジオ英語放送の担当を務め、高等学校通信教育放送も務めておられます。
(青山學院女子短期大學紀要より)

簡単に紹介させていただきましたが、1935年から1983年には70冊以上の英文法や辞書、問題集の執筆と共編著を出版されており、英文法の第一人者の先生です。


本日は、その中でも貴重な一冊【三省堂 現代英文解釈法 改訂版】の紹介をいたします。
現代英文解釈法は、改訂版、新版と続く超ロングセラーの参考書です。
初版発行  昭和13年(1938)
改訂版発行 昭和37年(1962)
新版発行  昭和45年(1970)
新版2色刷 昭和48年(1973)

これだけのロングセラーだと、祖父・父親・自分と、三世代に渡って勉強された家庭もあると思いますが、もちろん現在でも現役の参考書です。
この書籍の初版が刊行されたのは第二次大戦前、時代の大きな転換期とともに歩んできた長い歴史のある1冊であることがわかります。
初版のタイトルは「現代英文解釋法」と、現在では使われない漢字が使われているのが印象的でした。

荒牧鉄雄先生は冒頭でこのようなことを書かれていました。

 

『英語を日本語に直すときには、正しい国語の知識も必要です。日ごろの国語表現力を養い、教科書を中心に精読し、英語の副読本などを多読しながら英語の調子を覚えるようにしてください。』

英語を学習するに際し、国語も十分な学習が必要ということですよね。

そしてそれから英語本を多読する。


それでは、本書を見ていきたいと思います。

 

目次を拝見させていただきましたところ、第1編から第5編の構成となり、その中に各章・各節と細かく分かれております。
基礎的な通常構文から特殊構文まで複雑な英語の構文を、構造と要素に整理し、重要語句については「研究」という構成で更に詳しく触れられております。
段階的に難しくなってくる構成となりますので、これから英文構文に詳しく触れていきたいという方は、第1章から順に進めるのが良いかと思います。

では、本文の第1編を少し拝見させていただきます。

第1編の第1章/第2章では英語構文学習にあたり基本的な概要と要領について詳しく記載もありました。
この辺りは、上級者の方は飛ばしても大丈夫だと思いますが、荒牧先生の考え方が理解できる所でもあるので、流し読みでもいいので一読していただきたいと思います。

この章では、『英語の力をつけるには!』ということで
・聞く(hearing)
・読む(reading)
・話す(speaking)
・書く(writing)
をまんべんなく学習することと、文法(grammar)・常識(commonsense)を加えて初めて基礎が完成されると書かれております。

そして、第2章の「英語と日本語の違い」も面白そうな内容ですので、先ほどは「飛ばしても」と書いてしまいましたが、読まずにはいられない内容でした。


こちらでは、語順の違いについて触れており、一番の違いはこの順序で、本書では訳語に数字を振って順番が示されております。
日本人が英語を学習するに辺り、この語順が一番のネックになるとされておりますが、語順にも一定の規則があり、その意味の働く方向さえ理解すれば、英文解釈の基礎知識が身に付くとされております。


本文をもう少し見させていただくと、勉強のすごさが伝わってくる書き込み具合で、以前使用されていた方はこの参考書を使い込まれているなと、ちょっと関心してしまいました。

解説部分では、1語1句に対してあらゆる面から詳しく説明されており、めんどうと思わずに自分で調べたことも注ぎこんで多読がいいとされております。
英文と訳文をただ読み比べているだけでは、全く勉強になりません。辞書を頼りに自分で調べ解答を導いてから、説明を読むとさらに学力アップにつながります。

そして、荒牧先生の言葉にこういうのがありました。

「ことばは声に出して覚えるべきものであるから、英文は必ず音読するようにしなければならない。音読(reading aloud)によって英文の調子に慣れるのであり、調子に慣れることが英語上達のコツである」

この書籍が英語の発音にもこだわりを感じる文面です。本書では章の節々で発音に重点を置いた記載があり、ちょっと気になったことがあったので、調べさせていただきました。

カセットテープが初めて発売されたのが、1966年のこととなります。今ではCDやDVDで当たり前のように発音の練習が出来ますが、本書が発売された当時はまだ、カセットテープすらない時代でした。唯一の情報源は1954年から荒牧先生が参加されていたラジオ放送だと思われます。通りで発音発声にも重点を置いての記載が多いとなと改めて思ってしましました。
英文には発音練習が出来るように、単語にアクセント記号をつけ、模範文例と練習問題にも「|(縦線)」を挿入して息の切れ目と読みやすさを示しおりますので、当時としては非常に親切丁寧な参考書だと思います。


もちろん、発音記号も記載されておりますので、現代でも問題なく学習が進められると思います。
現在と違って、実際の発音が聞けない時代ならではのこだわりの部分だと感じました。

最後に、荒牧先生の名言を見つけましたので、紹介させていただきます。

「好きこそもののじょうずなれ」 荒牧先生の座右の銘がここでも紹介されております。

その言葉を体現するような英語の大家と呼ばれる人も、必ずしも最初から英語が好きでたまらなかったのだろうか?と荒牧先生は読者に投げかけています。

こまかく調べ、根気よく学習を続け、たゆまず研究を進めただけのことである。との記述内容を苦もせずに続けられることが「好き」ということだと仰っしゃりたいのだと感じました。
根気よく、そしてたゆまず研究を継続する精神は英語だけに限らずあらゆる面で重要ですね。

今回は荒牧鉄雄先生の『現代英文解釈法 改訂版』を紹介させていただきました。英語の入門用としても評価の高い一冊であり、当時の語学学習の在り方を知る資料としても一見の価値があるのではないでしょうか。

これからも当社で発掘できた選りすぐりの良著を紹介していきたいと思います。

次回更新もどうぞお楽しみに!

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コメント

    • 通りすがり
    • 2018年 11月 12日

    この参考書のどこがすぐれていて、どこに他書と異なる特色があるのか、全くわからない通りいっぺんの紹介ですな。こんなの誰でも書けます。中身をしっかり読んで紹介してくださいな。あなたには○○先生のサイトを全部読んでから出直す事を勧めます。あっちと比べたら月とスッポン、なんの役にも立たない駄文としか言いようがありません。

      • sankosho
      • 2018年 11月 22日

      ご投稿ありがとうございます。貴重なご意見・ご指摘ありがとうございます。ご投稿を拝見し確認しました。確かに内容が薄いものになっておりました。当ブログは弊社従業員が持ち回りで紹介しており、その時々で紹介レベルに幅があることがございます。しかし、この内容は相当に内容が薄いものでした。管理人として反省しております。こちらの内容につきましては今後、加筆・修正を行います。今後とも皆様に見ていただいているという意識を持って更新できるように従業員教育を行って参ります。この度は大変貴重なご意見誠にありがとうございました。

      絶版参考書博物館管理人 拝

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